タイトルだけみたら、なんのことかわからない人がほとんどではないかと思います。保険の場合、「よくかわらないからそのままにしておく」のは禁物です。なぜなら、保険は請求したときにきちんと保険金がおりてこそ真価を発揮するからです。どういうことなのか説明してみましょう。
【保険の引受けとは?】
保険の引受けとは英語ではアンダーライティングといわれ、保険加入を申し込むと、①保険会社が契約のリスクを分析・評価したうえで
②引き受けるかどうかを判断し
③引受ける場合に特定の引受け条件をつけるかどうかを考慮し
④最終的に保険料を決定する
文章で書くと「ますますわからない。。。。」となりそうなので、この過程を例を挙げて説明してみましょう。
【引受けの一例】
すでに糖尿病を発症している人が生命保険を申し込んだとします。
① 保険会社はまず申込書に書かれた内容に照らして、リスクを見極め、さらに細かい質問をしてくる一方で、GPにも連絡して病状や治療の内容、他に既往症がないかなどを再確認する
② 薬でコントロールされており余病もないので引受けることにする
③ 既往症がない人よりはリスクが高いため、保険料に50%の割り増し条件を付ける
④ 最終的な保険料を決定する
【病状によっては生命保険に加入できない場合も】
既往症がある人にとっては、保険料が割り増しになっても保険の対象になることは重要です。病状によっては保険の引受けを断られ、加入できない場合もあります。加入できれば糖尿病に関連する死因でお亡くなりになっても、保険金がおります。今までいろいろな条件付き契約に携わってきましたが、条件付きであっても保険の対象になることは常にご加入者の安心感につながっています。
【生命保険に入れないリスク】
住宅ローンを組んで家を買ったのに、糖尿病を理由に生命保険に入れなかったら大変です。保険があれば30年のローン期間中に万が一のことがあっても、残されたご家族は保険金でローンを完済するなどして金銭的に支障がないまま生活を続けていくことができます。若くて健康なうちはピンと来ないかもしれませんが、家族や資産を持つと生命保険に入れないことは大きなリスクになってきます。
【保険金請求時に引受ける保険】
ここで改めてタイトルの『ご加入の生命保険はほんとうに引受けられていますか?』に戻りましょう。生命保険の中には契約して保険料を払っていても、引受けがなされていないものがあります。特にインターネットで加入したものは注意が必要だそうです。
こうした保険の引受けは、加入時ではなく保険金請求時になります。被保険者がお亡くなりになり、残されたご家族が保険金を請求したときに、「保険契約前に既往症があり、それが原因で亡くなった」となれば、それを理由に保険金の支払いが拒否される可能性があります。交通事故など既往症と無関係の死因であれば問題ありません。
【既往症がある場合の生命保険のご契約は特にご注意】
契約時に引受けない生命保険は、お申込みしやすいというメリットがありますが、一般の保険よりも保険料は割高になっています。完治しているものや病気には至っていなくても症状が出ているものも含め、既往症がある場合の生命保険のご契約は特にご注意ください。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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