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第102回  NZの保険のよくある誤解-医療保険編 

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先週、「身近で役立つ情報提供を目指して」と宣言したばかりですから、今週はNZの保険に対する、よくある誤解の一つを取り上げてみます。まずは医療保険からです。
 
 この国の医療保険に対する在住日本人の認識は、「ほぼ100%理解している方」と「ほぼ100%誤解している方」と、極端に分かれているようです。
 
 公共医療が無料のNZでわざわざ医療保険に入る最大の目的は、保険を使ってすぐに民間医療機関(私立病院)で治療を受けるためです。公立病院は医療従事者と医療設備の不足からパンク寸前で、いくら無料でも多くの場合、長い順番待ちを覚悟しなくてはならないのです。
 
(この件の具体的な話は以下のリンクでもお話しているので、ご覧下さい。
第94回 一生ものの保険-医療保険編
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=94
第95回 一生ものの保険 第2回-医療保険編
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=95
 
 ここに出てくる友人に会ったのは昨年10月中旬で、彼女がキャンセルした私立病院での手術は確か10月初旬でした。ちなみにあれから2ヶ月経過した現在、彼女は公立病院の専門医に1度会ったきりで、手術を受けていないどころか、手術の日程も確定していません)
 
 誤解している方の最大の原因は、ここの医療保険を「日本の健康保険のようなもの」と認識していることです。医療保険の種類によっては自己負担があるため、健康保険で3割の自己負担があるのによく似ています。公共医療は元々無料なので、本当は自己負担うんぬんの話はないのですが、
「医療保険に入っていると順番待ちが優先されるとか?」
と漠然とした把握で、誤解しているケースが多いようです。
 
 ここで一番問題になるのが既往症の扱いです。繰り返しになりますが、既往症とは保険加入以前にすでに発症していた病気や症状、治療は受けていないものの検査などで問題を指摘されているものを指します。ほとんどの場合で既往症は保険の対象になりません。(病状や保険会社によって、保険料の割り増しや保険加入後一定期間発症しない場合に対象になる場合もあります)
 
 しかし、日本の健康保険では対象にならない病気がないので、
「保険なのにカバーしない病気があるのはおかしい。」
という話になってしまうわけです。
 
 誤解していてもほんどの場合で、日本とNZの状況の違いを詳しくご説明すると納得してもらえ、中には、
「自己負担もなくてこの保険料ならNZの方がお得。」
というお客様もいらっしゃいます。
 
 今回のコラムで誤解が解けた方が1人でも多ければ幸いです。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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