2019年10月より施行予定のNZ在住者による$400以下の海外からのオンラインショッピングに15%のGSTが課税される通称“Amazon Tax”ですが、2018年7月1日よりオーストラリアで導入された”Amazon Tax”に想定外の事態が起こったため、当初の予定を変更せざるを得ないのではないかと見られています。
オーストラリアで導入された”Amazon Tax”に何が起こったのでしょう?
米国Amazon.Comによる決定
アメリカのアマゾン・ドット・コムは、2018年7月1日よりオーストラリアで導入される”Amazon Tax”を受け、オーストラリアのユーザーによる米国のアマゾン・ドット・コムサイトの利用を同年7月1日より停止することを発表しました。
オーストラリアでは、2017年12月にオーストラリア国内向けアマゾンサイト“Amazon.com.au”がサービスを開始しましたが、7月1日の”Amazon Tax”導入により、オーストラリアから米国のアマゾン・ドット・コムサイトにアクセスしたユーザーは、自動的に“Amazon.com.au”へリダイレクトされることになりました。
オーストラリアのオンラインショッピング事情
Inside Australian Online Shopping 2017 によると、オーストラリアでは、“遠隔地に住む人や、伝統的な実店舗へのアクセスが制限されている人たちにとってありがたい存在“で、オンラインショッピングを通じて、海外から10%のGST課税がない分、国内よりも割安な商品を購入できることや、商品購入の選択肢が増えることから、利用者が増加、2017年にはオーストラリア人は、オンラインショッピングだけで、一か月に$1.95ビリオン(約19憶5千万ドル)消費しています。
また、ジェトロによる調査から、オーストラリアのオンラインショッピング利用者の8割以上が、海外サイトを利用した経験がある事がわかっています。
Amazon vs eBay
米国アマゾンのオーストラリアのGSTへの対応は、買物客が余計に支払ったり、売り手が課税分を支払うのではなく、買物客がオーストラリア以外のアマゾンのサイトから買えなくなるという予想外のものでした。
これに対してeBayは、売り手の代わりに、買物客からGSTを徴収して、オーストラリア政府に支払うというシステムを構築し、成功しているようです。
ニュージーランドではどうなる?
2018年7月現在、米国のアマゾン・ドット・コム以外に、カナダ、メキシコ、ブラジル、イギリス、オランダ、フランス、イタリア、スペイン、日本、中国、インド、オーストラリアの12か国で、国内向けのアマゾンサイトがあります。
ニュージーランドにおいて“Amazon Tax”導入の際、オーストラリアのように海外のアマゾンサイトにアクセス出来ないとなると、商品購入の選択肢が制限されることで、ニュージーランドの消費者からクレームが来ることが予想されます。
2019年10月の“Amazon Tax”施行以前に、国内向けアマゾンサイトが設立されるか、eBayのシステムを導入するか、それとも新しい徴収制度を確立するのか?
今後、政府の決定に注目が集まりそうですね。