前回の内容は基本情報と全体的な流れについてでした。見逃した方はこちらからご覧ください。
ITの専門学校へ留学することを考えている人へ 【Part 1】
そして今回は、当時に受講された実際のコース内容についての解説です。IT関連に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
1年間で学んだ具体的なGDITのプログラム内容
まずは第一学期から。
第一学期はやはり環境に慣れるまでに時間がどうしても必要であったことが今でも印象に残っている。実際にソフトを使って何かをしているとき(例えばプログラムを書く)は問題なかったが、英語力にまだまだ不安があったため、講師の話だけを延々と聞かなければいけないときには、頭の回転が追い付かず途中で集中力が切れてしまったことはあった。
英語に慣れるため、というと語弊はあるが、せっかくできた友人と出来る限りコミュニケーションをとり続け、長時間英語漬けの環境にいるよう心掛けていた。
Database Engineering(データベースエンジニアリング 基礎)
ソフトはSQL Server 2012。
初めの数週間、ソフトはあまり使わずデータベースの存在意義やコンセプト、なぜデータベースが必要なのか、という基本概念について学ぶ。
その後、仮説のビジネスシナリオから予想されるデータ項目を抽出し、いわゆるデータベースの形へと最適化を学ぶ。
リレーションシップ(1対n、n対n等)については後半から学び、ER図(Entity Relationship Diagram)の作成や、トリガーといったデータベース構築に必要なことを学ぶ。
試験もアサイメントも、どちらもエッセイを書く必要があり、最後の試験ではビジネスシナリオからデータベースの作成とダミーデータの入力、そしてER図の設計を求められる。
Object Oriented Programming(オブジェクト指向プログラミング)
当時使っていたソフトはMicrosoft社のVisual Studio 2010。第2学期からは2012を使用。もちろん学生なのでソフトはタダで利用可能なため自分のラップトップにすぐインストールした。
プログラミング言語はC#。確かにニュージーランドでは.NETを使ったアプリケーションが日本より多く存在している気がする。
学生の中にはIT経験が一切ない生徒も半数近くいたため、どの授業も初めの3日くらいまではとても簡単な内容からスタート。
例えばクリックをしたらポップアップメッセージが表示されるものや、キーボードの上下左右ボタンを押すと画像がその通りに動く、といったもの。
試験の内容は、ビジネスシナリオに基づき必要なエンティティ、それらの持つクラスを書きだし、インターフェイスもつけてアプリケーションを作ること。
全くのゼロから作るのではなく、授業で作ってきたアプリと同じようなものを作成することだったのできちんと復習をし、順を追って説明ができる状態であれば問題なし。
Requirement Modeling(要件定義とモデリング)
システム構築の中でも一番重要と言われる要件定義に関するコース。Water fallやAgileメソッドといったものや、インターネット技術は何をもたらしたのか、といったように概念について学び、それをレポートするもの。
個人的にはすべてのコースの中でも一番難易度が高く、マークも期待したものはもらえなかったため、とても悔しい想いをした。とはいえ、やはりコンセプトをしっかり理解し、的確に把握したものを説明しなければならないので、仮に英語がネイティブであったとしても理解度がそのまま点数に反映されるものだったと思う。
第2学期
第2学期は環境にも慣れ、一通りシステム構築に必要な知識はある状態からのスタート。プログラムも深く学び、より実務的なシステム構築をすることになる。
Application Development(デスクトップアプリケーション)
第1学期のOOPの続き。1人前のプログラマーには程遠いが、それになるために必要なスキルがバンバン出てくる。具体的なところでいうと「継承、抽象メソッド・クラス」といったところで、ライブラリを使い機能性を高めるところまで。
例えば、レンタルDVDショップを想定したシステム構築が授業の基本となり、期末試験とアサイメントでそのシステムが完成することを想定している内容となる。
今までのコースの中では一番実務的なことをしているため、新しい発見も多く非常に楽しくできた印象がある。
IT Project Management(プロジェクトマネジメント)
プログラマーではなく、プロジェクト進行を管理するために必要なこと学ぶコース。テキストブックもかなりの厚みがあり、猛スピードで授業が進んでいった。講師の話すスピードがかなり速かったことや、要件定義と同じようにコンセプトや概念に関する内容がほとんどであったため、非常に難しく感じた。
ここではMicrosoft Projectを使い、ガンチャートでの管理を学んだ。
Human Computer Interaction(ユーザビリティ)
こちらもコンセプトや概念に関するコースではあったが、こちらもより実務に近く、システムは誰のために作るのか、という根幹をしっかり考えなくてはならない内容であったため、将来的に「提供できるサービスを作る者」を目指すものとしてはとても興味深いコースであった。
このコースはApplication Developmentとリンクしており、そこで構築しているシステムのフロントエンド、いわゆるユーザーが実際に使う画面を題材の一つにもしていた。
そのため、ユーザビリティを向上させるための便利な機能を付けたいがために、他の機能とコンフリクションを起こしエラーになってしまう、、、という本当に実務でもありそうな問題に直面できたことはとても良い経験になっている。
第3学期
いよいよ大詰めの第3学期。これを卒業すれば晴れて1年間のPost Study Work Visaを申請でき、就職活動をするための準備が整うため、心の気を引き締めた。
コースは2つだが、授業があるのは1つのコースだけであるため、学校に来る必要があるのは週に2回だが、もう1つの授業はグループでやるため自発的に学校に集まり話し合いをして解散、という日も多くあった。
Web Application Development(Webアプリケーション)
第1学期と2学期は主にデスクトップアプリケーションを構築していたが、このコースではWindows server上にC#を使ったWebサイトを制作。
バックエンドをC#とSQL Serverで構築し、フロントエンドにはHTML5、CSS3、Javascript(jQuery)を使い見た目は好きなように制作。あくまでもC#がメインであるため、HTMLタグのミスといったところは特に問題にはならない。
HTMLとCSSに関する知識があったおかげでC#に集中することが出来たこともあり、実務としては現職に一番役立っているかもしれない。
Live Project(ライブプロジェクト)
その名の通り、本物の成果物を作るGDITの集大成となるコース。はじめに3~4名のグループを作り、講師側からどんなプロジェクトがあるのか提示される。
プロジェクトの提供元は実際の企業や学校そのもの、あるいは講師側から提示させれるシナリオになるパターンもある。
そして、プロジェクトの概要をプレゼンされグループで話った結果、あえて一番難しそうなものにチャレンジすることとなった。
実際にベンダーと顔を合わせたのち、要件をまとめ設計に移ることになるのだが、一番の問題はやはりコミュニケーションにあった。調査や一部の要件定義の作成をお願いしても期日までにやってきてもらえないことがほとんどであったため、後手後手になってしまい、後半からはすべてをやらなければならない状況に陥ってしまった。
実際に業務をしていると思い通りいかないことが多いことは経験から知っていても、こんなところで改めてマネジメントの難しさを思い知らされることになった。
とはいえ、ここで踏ん張ったことが今の道につながっていることを考えれば、ニュージーランドで仕事をするための準備が勉強をしながら出来たので非常にラッキーなことだった。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ちょっと専門用語が出てきたときには、頭の中に?マークが出てきてしまいますが、専攻が違う方でも通ずるところはあるのではないでしょうか?
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