ニュージーランドへ留学する主な手段はいくつかあるのですが、今回はその中でもより特定のスキルを身に着けるための専門学校留学に関するお話です。
専門学校といっても、その専攻はいくつもあり、日本でやってきたことをさらに深める方もいれば、移住という目標に向かってどの専門学校へ通うかを決める方もいらっしゃいます。
主な専門学校には調理、ホスピタリティ、IT、園芸などまだまだほかにもたくさんありますが、実際にその専門職の経験があったとしても、具体的にどんな内容の授業なのか不安は多いと思います。
そこで今回は実際にIT関連の専門学校へ通った方から、経緯や流れ、そして授業内容を簡単に紹介させていただくことができました。
IT関連の専門学校を考えている方には共感できる部分や、少しクリアになる部分もあるかもしないため特に必見です、ぜひご覧ください!

基本情報

いつごろ? → 2012年ごろ
コースは? → GDIT(Graduate Diploma in Information Technology)
期間は? → 1年間(3学期制)
入学条件は? → 日本での大卒の資格(NZ国内でbachelor degree取得者、或いはそれに相当する海外での資格)
入学に必要な英語力は? → IELTS6.0以上、或いはそれに相当する実力を証明できるもの
ITバックグラウンド → 実務経験としてWebマーケティング会社で数年間有り。ただし実際のプログラミングやデータベースに関する知識はほとんど無し。

入学した経緯

移住を求め2011年に家族とともにニュージーランドへ。仕事を探してはみたものの、英語力がないためコミュニケーションがうまくとれず、悩んだ結果として専門学校へ入学を計画。入学に必要な英語力を養うために同専門学校内の3ヶ月間の短期集中英語コースへ通い、学校が指定する英語テストに合格し晴れてGDITコースへ入学。
ここで不合格になってしまうとまた3か月同じコースを受けるか、IELTSを受ける必要があったので必死だった。

一言メモ:ニュージーランド内では職歴も学歴も無いに等しいわけなので、ニュージーランドへ来た当初から専門学校への道を考えておくべきであったと少し反省。

「郷に入っては郷に従え」ではないが、現地の人と同じように学校で学びスキルをつけて就職へ結びつけることが最短の方法であったと思うし、英語の勉強だけで1年間過ごすよりも専門学校で勉強することはもちろん自分の英語の勉強にもつながるので時短であり「一石二鳥」。

GDITに決めた理由

  1. IT関連が移民局ホームページの「Skill Shortage List」に掲載されていたこと
  2. GDITの場合、1年間でニュージーランドの大卒と同様の資格がとれるということ(家族と来ていたので短ければ短いほど良かった)
  3. 卒業後、Post Study Work Visaを申請できた(GDITはLevel 7)
  4. プログラミングの知識はほとんど無かったが、IT関連の専門用語は一部知っていたため少し障壁は低かった

専攻

Software developmentとComputer Networkの二つに分かれており、入学当日にどちらを専攻するか決める必要があった。
選択したのはSoftware development。Computer Networkに関する実務も少しは経験があったが、ソフトウェア開発はより目に見える形になるため、興味を引かれたことが理由。

一言メモ:実は自分の調査不足/聞き漏らしで、この一番大事なことをその場で選択しなければならなかった。多少のバックグラウンドがあったこと、そして幸運にも学校内のネットワークを管理している方にも卒業後にどんな業務があるのか、を聞けるチャンスもあったので、それなりに理由を見つけた上で選択できた。初めてITへ参入する場合には、多少下調べをしたうえで専攻を決められると良い。

1年間で学んだ具体的なGDITのプログラム内容

具体的に学んだ内容は以下の通り。各コースの詳細は ITの専門学校へ留学することを考えている人へ 【Part 2】をご覧ください。

第1学期
Database Engineering(データベースエンジニアリング 基礎)
Object Oriented Programming(オブジェクト指向プログラミング)
Requirement Modeling(要件定義とモデリング)

第2学期
Application Development(デスクトップアプリケーション)
IT Project Management(プロジェクトマネジメント)
Human Computer Interaction(ユーザビリティ)

第3学期
Web Application Development(Webアプリケーション)
Live Project(ライブプロジェクト)

当時の講師が翌年からはモバイルアプリケーションが必須になる、ということを言っていたので恐らく現在はモバイルについても学ぶ機会があるはず。

1週間の流れ

基本的に1学期は12、3週から構成され14週~15週が試験期間となる。
※この試験期間中、授業は一切無いが講師の好意によりエクストラで質疑応答の時間を設けて頂いたことがあった。
授業は各コース週に2回ずつあり、1回の授業は3時間(途中に10分休憩は有り。)。
そして必ず出席しなくてはならないワークショップがあったので、基本的には朝から夕方まで毎日学校へ行くことになっていた。

授業形式とクラスメイト

授業については生徒が10数人、多くても20人以下の少数制で講師が教室の前で講義をする形が基本。毎回出席を必ず取り、留学生は基本的に100%の出席率が必要。とはいえ、病欠の場合は医師の診断書等もらうことで認められる。
IT関連のコースであったためか、インド系、中国系のクラスメイトが多かった。年齢層は20代前半が最も多かった。グループによる課題提出もあるので、もちろん交流を深めお互いに助け合うことが必要となる。

ワークショップ

ワークショップとは、コース内容を補完するためのものであるため、それ自体が難しいものでもなく、試験があるわけでもないが非常に役に立つ。
簡単なものには基本的なMicrosoftオフィス(Word、Excel、PowerPoint等)の扱い方から、リファレンス(参考文献の引用方法)の書き方といったもの。
Software developmentとはいえ、想像以上にエッセイを書く機会が多かったため、リファレンスの書き方は結果的に覚えておく必要がある。

予習と復習

やはり流し読みでも良いので授業の前にサラッと目を通す、或いは授業の範囲内の見出しの意味だけでも調べておくと、非常に頭の中に入りやすい。そしてもちろん授業は英語であるため、この予習の効果は絶大であった。
そして復習について。概念やコンセプトの授業について復習をしておくことにこしたことはないが、それよりも授業で作ったプログラムが何故動いているのか、或いは動かない部分があるのか、をその日のうちに解決することがとても力になった。
やはりプログラムは一番実務に直結する部分でもあり、自分の書いたコードの答えが目に見えてわかるため、復習が容易であること、そしてシステムの動作可否は試験の結果に大きく影響されるため、ここに時間をかけることが重要となる。

いかがでしたでしょうか。次回は実際のコース内容について具体的に紹介していただいています。お楽しみに!

ITの専門学校へ留学することを考えている人へ 【Part 2】