ニュージーランドの住宅市場が、数十年で最も長い低迷局面に入っている。不動産協会(REINZ)によると、7月の住宅販売件数は6090件で、前月比1.2%減、前年同月比では10%減少した。全国16地域のうち13地域で前年を下回っている。
住宅価格の下落も続く。7月の物件価値は過去3年で最低水準となり、直近3カ月で1.0%、前年比でも0.7%下がった。調査会社コアタリティ(Cotality)のデータでは、再販売された物件の13.1%が購入価格を下回る「売却損」となり、2012年以来の高い割合となった。売却までの日数の中央値は50日、在庫は前年より9.3%多い。新規の売り出しはむしろ減っているのに在庫が積み上がっており、買い手・売り手ともに、借入金利の先行きや景気の不透明感から様子見の姿勢を強めている。
市場の停滞は2022年初めに始まり、当初期待された2026年の「回復」も失速した。米ブルームバーグは、今回の調整局面を「数十年で最大の下降局面」と伝えている。生活費の高止まりや雇用への不安が重荷となる一方、政府は地方自治体の固定資産税(レイト)の引き上げ幅を年4%に制限する法案を、選挙前の議会で第一読会にかける方針を示しており、家計負担の軽減を政策の前面に打ち出している。ただ、この上限は2029年まで発効せず、複数の市長は住民サービスの削減につながると批判している。
