私は大の猫好きです。猫と自然保護についてのお話、しばらくお付き合い願います。
ニュージーランドには、全所帯の半分近い家庭に猫が1匹以上(1.8匹)飼われています。ちょっと首を左右に振ると、簡単に猫を見つけられるでしょう。ニュージーランド人は猫大好きだと言うことでしょう。猫のことをモギー、プッシー、キッティ、タビーとか言いますね。「おいで」と呼ぶときは「プスプス」と言います。(ブスにならないよう気をつけましょう。)
18世紀中頃キャプテンクックがペットとして猫を連れて来たのですが、それから、約50年後にヨーロッパから連れて来られたペット猫が住み着たのが今の始まりで、1870年代には 土地、ファームを荒らすうさぎ退治に使われたこともあり、今現在1.4百万匹、家猫として可愛がられています。
元々、ニュージーランドはコウモリ、ウェタ、ツアタラ以外の生き物は住んでいず、まさに鳥の天国だったのです。およそ千年ぐらい前から、ポルネシア人たちが、犬やネズミと一緒に住み着くようになってから、ニュージランドの生き物;鳥、虫などが食用となり、次第にその数が減っていきました。皆さんもご存知のように、巨大なモアもマオリの人たちに食用とされ、13世紀終わり頃までには、絶滅してしまいました。現在はニュージーランド原産200鳥類以上のうち、キーウィをはじめとして、20種類の鳥が絶滅危機に瀕しています。
地方議会では、美しい自然を守るため、ペスト‐コントロール(ネズミや衛生害虫を駆除・防除すること)を考え出し、猫もそのペストの名簿に載りそうで、つまり、珍しい鳥、数少なくなった鳥を取る可能性があるし、貴重な虫やトカゲも食べるし、けしからん!そんなペスト猫は消してしまえというような案が出されています。散歩、ブッシュ歩きをしていたら、奥まった茂みや森の中に四角っぽい箱を見ることがあるかと思います。ポッサム退治、ネズミ退治のために仕掛けてあるのです。ペストコントロールの一環です。
最初にターゲットとなったのは、南島にあるオマウイと言う町。住人は35人, 猫7、8匹と言う小さい町に、珍しい鳥がたくさんいるので、その保護のためにも、猫を徐々に削除していくと言う案が出、住民は怒りました。猫がいなくなったら、ネズミが増える。それも問題じゃないかと、猛反発しました。その案とは、住民は猫の登録書を作り、マイクロチップ入れ、去勢をし、飼っている猫が死んだら、それまでで、2度と飼えない。この町に引っ越して来る人がいれば、猫は連れて来れないと言うものでした。
私自身、猫愛好家として、このニュースを聞いた時、猫をこの国から消してしまうなんて、現実的な政策ではない。飼い主が、もっと責任を持てばいいのではないかと思いました。そして、1年後に、この案は却下されました。当然だろうと、ホッとしました。
フォリスト・アンド・バードという自然を守る団体は、猫を飼う以上、去勢する事と必要な情報が入ったマイクロチップを猫に埋め込むことは、飼い主の責任だと言っています。そして、できる限り自然の生き物を絶やさない努力が必要だと言っています。
SPCAからもらって来た私の猫には、勿論去勢とマイクロチップ済みです。猫のクビに鈴をつけ、夜行性の強い猫を、夜、出歩かないようにドアを閉める。できるだけ自然を壊さないようにした可愛いい猫たちと鳥や生き物と共存し、この美しい国を次の世代に残すために、一人一人が責任を持って猫を飼いましょう。
最後になりましたが、自然に興味のある方へ;https://www.forestandbird.org.nz
SPCAでペットを飼いたいと思っている方へ;SPCA Auckland (Mangere) Centre
以下の写真は私が飼っている猫です。
猫といる時が幸せなピワカワカ。