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オークランド日本経済懇談会(二水会)吉武正己 会長

困難な状況下でも日・NZの経済関係の発展をサポートしたい

yoshitake

 長引くパンデミックにより、日本・ニュージーランドともに経済的にも試練の日々が続いています。4月末からの国境再開など希望の光も見えてきた2022年は、一体どのような年になるのでしょうか。日本資本の法人・日本人経営の法人など46社60名(2021年10月現在)が参加するオークランド日本経済懇談会(二水会)の吉武正己会長に、新年の抱負をうかがいました。

ウェビナーなど従来とは形を変えて活動を持続

 2021年9月1日より、二水会の会長に就任しました。ロックダウン状態からのスタートで、従来のように人が集まるイベントを行うのは困難。そこでウェビナーの開催など、形を変えてできる限りの活動を行っています。

 コロナ禍以降は、異動のタイミングで後任者が日本からニュージーランドに入国できないという悩みが多く寄せられました。問題解決のため、二水会でもビザ関連のウェビナーを開きました。そのほか、オンラインでの開催となった日本語スピーチコンテストの後援も継続して実施しています。難しいことは多いですが、状況に応じてできることは引き続き行っていく予定です。

 11月22日~12月19日にはJapanese Food Fairを開催。会員の方からの提案を受け、外務省の助成金を活用して主催したものです。イベント期間中はオークランド各地の日本食レストランとテイクアウェイの店が参加し、特別メニューを提供。もともとは店内で楽しんでいただくことを想定していましたが、ロックダウンが長引いたために、前半はテイクアウェイ主体のイベントとなってしまいました。それでも12月3日からの規制緩和により、たくさんの方々に久しぶりの外食とおいしい日本食を堪能していただけたと思います。

二水会の目的をどのように達成するかが課題

 12月3日より新しく信号システムが導入されました。様子を見て、落ち着いたら従来のように会員の皆様に集まっていただくようなイベントも開催できたらと思います。

 とはいえ、人が集まりにくい状況はまだしばらく続くと予想されます。講師を遠くから招いてのセミナーも難しいので、引き続きウェビナーや、講師のみリモートで参加するセミナーなどを行っていく予定です。

 二水会の活動の形もパンデミック以前とは変えざるを得ませんでしたが、「日本とニュージーランドの一層の経済関係の進展と相互理解を推進する」という会の目的をどのように達成していくのかは、今後も課題として取り組んでいかなければと考えています。

国境オープンで往来の再開に期待

 2022年は、日本とニュージーランドの外交関係樹立70周年です。ウェリントンの大使館が記念イベントの開催を企画検討されているとお聞きしているので、二水会も可能な範囲で積極的に関与することで二国間の経済関係の発展に貢献したいですね。

 日本とニュージーランドは、貿易でも輸出入4位という重要な関係にあります。また、政府が進めている温室効果ガス排出実質ゼロのカーボンニュートラルという目標に関しても、日本の技術は大いにサポートできるでしょう。そうした機会をニュージーランドに提供する働きかけができればと思います。

 今後段階的に国境措置を緩和すると発表されましたが、まだ不透明な部分が多くあります。この2年でリモートワークが浸透し、仕事の効率化に一役買った半面、はやり顔を突き合わせての交流は不可欠でしょう。例えば投資判断するにしても、現地の状況を生で見られないために検討が進みづらいといった問題が起きています。

 そのため、日本のビジネス関係者が出張に来られるよう、往来ができるだけ早いタイミングでスムーズに再開するような働きかけを、大使館とも協力して行いたいと考えています。こちらはウェリントンやカンタベリーの商工会とも連携して進めたいですね。また、2022年はニュージーランド現地のビジネス団体とも交流を深めていきたいです。

オークランド日本経済懇談会(二水会)

日本資本の法人・日本人が経営を行っている法人を中心とした団体で、2021年10月現在46社60名が参加。会員およびその家族の親睦と共通の利益増進を図り、日本とニュージーランドの経済関係の発展・相互関係の理解を推進することが活動の目的。

公式ウェブサイト
https://www.nisuikai.nz/