クリストファー・ラクソン首相は、オーストラリアとフィジーの間で新たに署名された相互防衛協定「平和の海同盟(Ocean of Peace Alliance)」への参画を、ニュージーランド政府として本格的に検討・模索していることを公式に認めました。
この同盟は、締結国が有事の際に「相互防衛(一方が攻撃された場合に共同で対処する)」を義務付ける強力な枠組みであり、ニュージーランドがこのレベルの本格的な軍事同盟への加盟を検討するのは実に一世代(数十年)ぶりの歴史的な方針転換となります。
協定が調印された直後、中国が南太平洋に向けて長距離弾道ミサイルの発射テストを強行したことで、オセアニア地域全体の安全保障上の緊張が一気に高まりました。ウィンストン・ピーターズ外相は「太平洋のリーダーたちは、外部の軍事競争に巻き込まれない『太平洋主導』の対応を求めてきた。
この同盟への参加は極めて論理的なステップだ」と強調しました。しかし、中国はニュージーランドにとって依然として最大の貿易相手国であり、中国の覇権主義に対抗する軍事ブロックへの参加は、深刻な商業的リスク(貿易摩擦)を伴う戦略的決断となります。労働党などの野党陣営からは、大国間の軍事競争に深く巻き込まれることへの慎重論や反発も予想され、選挙年を控えた国内で大きな議論の火種となっています。
