移住者やワーホリ、そして在住者であってもNZでの「家探し」は大変です。今回はその物件探しのコツと注意点を紹介していきます。
ある程度の期間、NZに滞在する場合、必要なのは「住居」です。
一時的であればホテルやアコモデーションも可能ですが経費がかかりますよね。
また、NZ在住者であっても、大家さん都合で急に退去することになったり、子供の学校のことを考えて転居しなければならないことも。
借り手市場の時期ならまだしも、ここ最近は非常に賃貸物件も少なく、「家探し」が厳しくなってきているようです。
今回は先週引っ越したばかりの私が、ドタバタだった経験談を踏まえて、家探しのポイントをご紹介します。
まず自分の希望条件を書き出す
物件探しを始める前に「自分の希望条件」を書き出してみましょう。
- 【家の条件】
- ・ベッドルーム数
- ・独立型リビングか?キッチンダイニングと続きタイプか?
- ・独立型トイレか?バスルーム内に設置か?
- ・シャワーのみか?バスタブ付か?
- ・ダブルグレイジング(二重窓)か?
- ・ガレージの有無、駐車台数の確認
- ・庭の状況(手入れは簡単か?)
- ・希望の家賃価格帯(通常は週払い)
※日本人的にはウッドフロア(木床)を希望したいかもしれませんが…NZは基本的にカーペット文化。条件に入れてしまうと選択肢が大幅に狭まります。
※気になる暖房設備ですが、リビングにヒートポンプ(エアコン)が設置されている家が多いと思います。
一般的には各ベッドルームに暖房はなく、あってもパネルヒーターや小型のファンヒーターが置いてあればラッキー♪
- 【エリアの条件】
- ・治安の良さ
- ・静かなエリア
- ・職場が近い
- ・子供の学校が近い
- ・スーパーやグローサリーが近く買い物に便利
- ・バス停や駅が近くにある
このように、自分の理想とする条件を書き出してみて、この中で「ゼッタイ外せない条件」に〇を付けておくと、物件を選ぶ基準となります。
家探しはインターネットで
希望するエリアの不動産屋(エージェント)のウインドウに貼りだしてある物件を探すのもアリですが…やはり一番手軽に、かつ多くの物件の中から探せるのはインターネットです。
主な賃貸物件探しのWebサイトをご紹介します。
NZで何か探し物や中古品を購入するなら、まずこのサイト。衣料品や家具・家電から自転車、車、そして家まで売買可能。
「For Rent」 からシティを選び、希望のエリア・ベッドルーム数・バスルーム数・家のタイプ・家賃等を設定して検索すると、現在リストされている物件が一覧で出てきます。
エージェント(不動産仲介)はもちろん、プライベート(個人)が出している賃貸物件もチェックできます。
地域密着型のSNSといえばFacebookのマーケットプレイス
エリアを選定して、Trade Meと同じように希望条件を設定し、リサーチすると一覧で見ることができます。
エージェントの物件もありますが、多くはプライベートでの投稿です。
個人のリストの場合、Trade Meでは取引履歴を確認したり(悪い評価が少ないか?)Facebookでは個人ページの投稿内容を見て、きちんとした人物か?を確認しておきましょう。
- ・NZ大好きの掲示板「住まい」
- https://nzdaisuki.com/classified/house
そして日本人の大家さんや、日本人のフラットメイトの紹介物件等を探せるのが「NZ大好き」の掲示板
フラットメイトの募集が多めではありますが、日本へ一時帰国中の家を期間限定で貸してくださる方も見かけます。
エージェントや外国人プライベートから借りる場合、英語での対応・交渉の壁がありますが、日本の方から借りれるのならば、契約や住んでいる間のトラブル対応も安心ですね。
準備しておくと良いもの
賃貸物件を探しながらも、並行して準備しておくと良いものが、いくつかあります。
レファレンスレター
ビザや永住権を取得する時にも必要な推薦状(レファレンスレター)
特に定型は決まっていませんが、大体が申込者の「人となり」を盛り込んで書いてもらいます。
特に下記の人達には、依頼して書いてもらっておきましょう。
- A.今現在住んでいる家の大家さん、もしくはフラット・ホームステイ先のファミリー
- →人柄、部屋や共有スペースを綺麗に使う、家賃の滞納が無い、等。
- B.仕事先の上司(ボス、マネージャー、スーパーバイザー)
- →人柄、勤務態度、等。
- C.仕事先の同僚
- →人柄、勤務態度、生活態度、等。
いずれのレファレンスレターにも、日付、名前とサイン、連絡先(携帯番号とメールアドレス)を必ず記載してもらいましょう。 特にA、Bには確認の連絡が入る可能性が高いです。
エージェントを通して賃貸の申込をする場合も、もちろん審査があります。申込用のWebサイトには、少なくとも上記3人の連絡先を記入する項目があります。
くれぐれも当人達に知らせずに勝手に連絡先を記入することのないように。エージェントから連絡が入った時に「え、そんなこと聞いてないけど」と回答されたら、間違いなく審査に通りません。
「今、家を探しているのでレファレンスレターを書いて欲しい」と依頼し、もしかしたらエージェントや大家さんから直接連絡が来るかもしれないから、対応をお願いします、と丁寧にお願いしておきましょう。
自己紹介レター
これはSNSのフォロワーさんに教えてもらったのですが、レファレンスレターと供に自己紹介のレターを用意しておくとよいでしょう。
- CVのように詳しい経歴を書く必要はありませんが
- ・NZ渡航歴(何年前からNZに住んでいるか?)
- ・家族構成(借りる家に住む予定人数と年齢、自分との関係)
- ・ビザの種類
- ・勤務先と仕事内容
- ・どのくらいの期間住みたいか
- 性格や趣味について書くのもよいですが、けして「パーティー大好き」等、もしかして騒音を出す可能性が?と疑われるような事例は避けましょう。
「自分が大家さんだったら知っておきたいこと」を想像しながら書くとよいですね。
レターはPDFやドキュメントなどのデータでもらっておいて、自分でプリントして内覧やアプライする時にすぐに提出できるように準備しておきましょう。
いずれのレターも「必須」ではありません。
しかしながら、準備しておいて申込時に一緒に添えるだけで印象UPに繋がる可能性があります。
競争率が高く、同じような申込者が2,3組居た場合…レファレンスレターが複数あったり自己紹介レターで人となりが分かる人物の方が選ばれる可能性が高くなります。
「使えるカードは何枚でも用意しておく」
これが家探しを制するコツだと思っています。
入居日は可能な限り早めで答える
家探しの難しいところは…「入居可能日」が自分の希望とマッチしない場合が多いこと。
1カ月以上先の入居可能日が記載されている物件もあれば、今週末からOKのように直近にリストされる物件もあります。
- 前後1~2週間の誤差は想定しておく
- 場合によっては現在の家と次の家のW家賃を支払うことも覚悟しておく
できれば賃貸料がダブらないように旧→新が上手くスイッチできれば良いのですが…次の大家さんとしては「1日も早く入って家賃を払い始めて欲しい」ところ。
前項のレファレンスレターと同じく、同率で並んでいる申込者で入居日が「2週間先」の人と「即日」の人ならば、当然後者が選ばれる可能性が高いですよね。
どうしても入居したい、と思う物件には、可能な限り早めの日程で答えた方がよいでしょう。
私も今回1週間ほど重複して家賃を支払いましたが、次の家の鍵を早めにもらえたので、前もって掃除したり、少しずつ荷物が運べたりと、結局は便利に事が運びました。
本格的に家探し期間に入ったら物件を頻繁にチェック引っ越し予定日の1ヶ月前~2週間前位になったら、毎日、できれば毎時のように賃貸物件のサイトをチェックすることをオススメします。(フルタイムで働いてる方は休憩時間を活用)
特に家探しの厳しい最近では、リストされた途端、電話やメールが殺到して決まってしまうことも。
先にあげた希望条件のうち、いくつかは譲歩しなければ決まらないことも想定し、「いくつかの条件に合わないけれど…これなら住んでみても」と思う物件がリストされたら、すぐにコンタクトを取って内覧することをオススメします。
内覧(viewing)の注意点
内覧の申込は主にメールですが、連絡先に携帯電話番号が書いてあれば、テキストもしくは直接電話してもよいかもしれません。
特に忙しいエージェントによっては、メール返信が全く来ない担当者もいます。
但し、物件説明文に「問い合わせはメールかテキストで」と書いてあれば、直電は✖。また、プライベートで出品しているKiwiの高齢者などは逆にメールやテキストではなく「直接電話してほしい」と書いてあることもあります。
まずは物件の詳細文を、よく確認してからコンタクトしましょう。
当たり前ですが、メールやテキスト、電話であっても礼儀正しく問い合わせしましょう。もう、この時から大家さんやエージェントの審査は始まっています。
内覧の申込をする際も、可能な限り早めに。なぜなら、最初に内覧した人を大家さんが気に入れば、そこで決まってしまうこともあるからです。
とにかく迅速に、第一印象を良くする行動を心がけましょう。
- 見てみたい物件が見つかったら、即連絡&内覧申込
- できるだけ早く内覧日時設定(できれば即日)
- 礼儀正しく&きちんとした服装で
- レファレンスレター&自己紹介レター持参
- 現金を$100~200用意しておく
最後の「現金」は非常に稀な例かもしれませんが…今回、最初の内覧者だった私に「この家に住みたい?今日キャッシュで前金$100入れてくれれば、もう君に決めるよ」と言われたのです。(たぶん、大家さんが十数件問い合わせがあった内覧に対応するのが面倒だったと思われます...笑)
まさか、現金で前金・・・とは思っていなかったので($20しか持っていなかった;)急いで近くのATMに走りました。
Kiwiのおじいちゃん…目の前でスマホでインターネットバンキング入金しても、信用できないかも?やはり、高齢者の方は現金でのやりとりが安心なのかもしれません。
契約時の注意点
内覧時に私のように入居が即決されるのは稀かもしれません。
だいたいは「入居申込書」のフォームを渡され、申込者の人数や名前と連絡先、現在の大家さんの名前と連絡先、そしていつから入居が可能か?などの項目を記入してサインして渡します。
後日、審査の結果が連絡されてきますので、他物件を探しながら待ちましょう。
もし、審査に通ったら契約です。
指定された処に出向いて(借りる家orエージェントのオフィス等)契約を取り交わします。
エージェントによってはID(パスポートや運転免許証)の提示を求められますので、あらかじめ確認しておきましょう。
当たり前のことですが、契約書の内容も全て確認してからサインします。
- 消耗品(電球やバッテリー)の交換
- 庭の手入れ
- 付属品の破損(家具付やカーテン等)
家主、賃貸者のどちらが負担するのか?契約書内に記載があるかどうか、確認しておきましょう。
また壁に絵や鏡を飾る場合、何を使えばよいのか?(釘やネジorスティッカー等)も事前に聞いておくと良いですね。
また、鍵をもらっての入居時には、必ず壁や天井、フロア、窓枠、ドア等のキズや汚れの確認をして写真(出来れば日付入り)を撮影しておきましょう。
退去時に「自分が入居した際には既にありました」と証明することができます。
まとめ
長くなりましたが…今回非常に苦労したNZでの「家探し」について、まとめてみました。
9年前に日本から移住した時に、最初の1軒でアッサリ決まったので、今回の「家探し」甘く見てました;
現在は「貸し手市場」ということもあり、いろいろ条件が厳しくなっていると感じています。
この記事が、これからNZで家探しをする方の参考になれば幸いです。