テカポ湖の色はミルキーブルーやターコイズブルーのような色とよく例えられますが、確かに他の湖の色と比べると少し濁っているというか澄んだ透明ブルーではないですよね。この美しいミルキーブルーの理由は、テカポ湖がどのようにして形成されたのかが関わっています。
テカポ湖について
テカポ湖は面積は約83平方km、海抜700mに位置しています。幅は30km、水深は一番深いところで120m、平均水深は69mです。ちなみに日本の湖と比較しますと、北海道の洞爺湖が約70平方kmでテカポ湖の方がやや大きく、日本一の大きさの琵琶湖が約669平方kmなので、そのやく8分の1です。
「テカポ湖ってどうやってできたの?」
およそ2〜3億年まではサザンアルプスとテカポ湖周辺は海底の一部でした。地殻変動によりプレートが動き、テカポ湖の水の受け皿となる盆地が出現。そこに氷河期が訪れたことにより、巨大な氷河が大量に堆積されて、今のテカポ湖が作られました。
テカポ湖の色、ミルキーブルーの秘密
いよいよ本題に移りますが、テカポ湖は珍しいミルキーブルーの湖が特徴で、とても印象的ですね。これは、氷河が削った岩(ロックフラワーと言います)が、水に溶け込み、太陽の光を反射することによりこの独特な色を作り出しています。光の加減により微妙に色を変えるので、朝、昼、夕と様々な表情を楽しむ事ができます。
テカポ湖の豊富な水源の有効活用
1930年代に、テカポにおける発電所工事はスタートし、第二次世界大戦の影響で工事は遅れ、1951年に完成しました。水は、湖から引かれ、丘の下のトンネルをを通ってテカポ川下流の発電所まで運ばれます。湖はゲートによってコントロールされ、水位は上昇しています。たまにこのゲートのコントロールにより、水位が下がり、普段アクセスできない湖の奥にある小さな丘のような場所にアプローチする事ができます。湖の水位が低かったその昔、キャンプサイトとして使用していたこともあり、岩で作られた区画やテーブルのような痕も垣間見れます。国内の水力発電による電力の50%以上はテカポ湖とプカキ湖によるもので、年間160ギガワットの電力を生み出しています。
テカポ川と橋の歴史
1862年からフェリーを使ってテカポ川を渡っていましたが、1877年までは十分にこのフェリーが確立されていませんでした。テカポの真夏の厳しい天候で、フェリーが数日間稼働できず、道路橋が必要である事が明らかであり、1880年に古い道路橋が建設されました。現在のような橋でなく、46mの支柱を持つ吊り橋でした。発電所のためのダムの建設の際に、湖の水位を上げて発電所の水を増やす目的で、1952年に古いテカポの道路橋は解体されました。それから、現在のフットブリッジの計画は2009年に正式に開始されました。その後、地震や風、雪などを乗り越えて、建設が進められました。橋は、クライストチャーチで建設され、7つに分割してテカポに運ばれて組み立てられました。すべてが完成したのは、2017年初頭のことです。当時の古い道路橋のコンクリート桟橋と古い木材は、新しい歩行者専用の橋の横(情報パネルの横)に残されています。街の中心部から、観光名所である「良き羊飼いの教会」へ向かう際は、徒歩の場合はフットブリッジを渡って行きます。このフットブリッジからの教会とテカポ湖の景色がまた素晴らしいです。これから夏にかけて、ルピナスの花がさらにこの景色を彩ります。テカポ湖の独特のミルキーブルーと、ピンクやパープル等色とりどりのルピナスの花、そして、良き羊飼いの教会のコントラストは、まるで絵に描いたような景色です。ぜひそんな素敵な景色を眺めに、テカポへ足を運んでみてはいかがでしょうか。