お菓子なんて作ったことがなかったニュージーランドに来てすぐの頃、カスタードの粉を見て
”これでシュークリームができる!”
と思ったことがあります。その後、
”これではシュークリームはできない”
という結論が出たわけですが、全く使えないわけではないのです。日本人の間でカスタードというと、シュークリームの中のアレを思い浮かべる方が多いと思いますが、カスタードはお菓子の中でもいろんなことに使われているので、それによっては簡単に手抜きのできる便利な粉でもあります。
まず、私たちはカスタードと一括りにいっていますが、カスタードクリームとカスタードソースがあります。シュークリームの中のはカスタードクリームですね。どろっとしたおもためのクリームです。それに対して、カスタードソースというのはもっと水っぽくて、まさにソースです。例えばアップルパイにとろっとかけて食べるような、ああいうのはカスタードソースです。このカスタードパウダーはこういうカスタードソースを作るのに適しています。カスタードソースの粉を使って水分を減らし、カスタードクリームにしようとしたのですが、水分が減っても味は濃厚にはならず、もったりした食感の味の薄いカスタードクリームになってしまいました。
こう話すとなんだか使えないパウダーに聞こえますが、この使えるインスタン食品が限りなく少ないこの国で、我が家で常備している食品の一つです。先にも書きましたが、焼きたてのアップルパイにかけて食べると豪華なデザートになるし、今が旬のりんごを使ったクランブルにはカスタードソースは欠かせません。それにバニラアイスを乗せると最高です。スポンジケーキやマフィンの仕上がりがイマイチだとか、翌日まであって飽きてきたとかいう時は、少しそれらを温めてこのカスタードをかけるとまた違ったデザートになります。
カスタードパウダーは安いですし、パッケージに書いてある通りに水やミルクを混ぜて電子レンジやお鍋で温めればすぐできます。使ったことがない方は、ぜひ一度お試しください。
前日のデザートや市販品もこれで見栄えのする一品になります。
Happy cooking!
-Pukeko