クジラやイルカなど海の動物たちと出会える町で有名なKAIKOURAにあるオットセイのコロニーをご紹介します!
まず、KAIKOURAってどんな町?
クライストチャーチからバスで約3時間、ピクトンからは約2時間15分のところにある人口約4000人の小さな町です。年間を通して、クジラやイルカ、オットセイなどの多様な海洋生物を観察することができ、ホエールウォッチングやイルカ・オットセイと泳ぐツアーなどネイチャーアクティビティが盛んで多くの旅行者が訪れます。この町の名前はマオリ語の由来で、カイ(食べ物)とコウラ(Crayfish、イセエビの仲間)の組み合わせからできています。
なぜ、KAIKOURAにクジラやイルカたちがやって来るの?
南島の東海岸に位置するカイコウラ。その沖合で暖流と寒流がぶつかり合うため、プランクトンが発生します。それらを餌とする魚が集まり、さらに魚を食べる大型生物や鳥類が集まってきます。また、このエリアの海底が大陸棚の端に位置し、急激に水深が深くなっています。こういったカイコウラの独特な環境によって、クジラやイルカを高い確率でウォッチできる場所として知られています。
オットセイってどんな生き物?
今回紹介するのはニュージーランドオットセイ(NZ fur seals, マオリ語でkekeno)です。
みなさんはオットセイとアシカ、アザラシの違いを知っていますか?彼らの共通点で一番わかりやすいのは魚の鰭のような形をした手足です。この特徴から鰭脚類と呼ばれています。鰭脚類は大きく3つに分けることができ、セイウチ、アシカの仲間、アザラシの仲間です。そして、オットセイはアシカの仲間に入ります。アシカの仲間とアザラシの仲間の違いですが、これもいくつかあります。陸上からの観察でわかりやすいのはまず、耳たぶがあるかどうか。アシカの仲間は目の後ろにピンととんがった耳たぶがありますが、アザラシの仲間は耳の穴だけです。次に、前脚の大きさです。大きくてたくましい前脚をしているのはアシカの仲間、小さくてかわいらしい前脚をしているのはアザラシの仲間です。後ろ脚の付き方も重要なポイントです。アシカの後ろ脚は付け根でお腹側に曲げたり、移動する際に体を地面から浮かせることができますが、アザラシの後ろ脚は後ろに向かって伸びており、陸上での移動では使われません。陸上の移動の仕方を見ると、違いが分かりやすいでしょう。アシカの仲間は前脚と後ろ脚、4つの脚を使って体を持ち上げて移動します。アザラシの仲間は脚は使わず、腹ばいになって移動します。カイコウラでアシカとアザラシを比べることができないので、難しいかもしれませんが…
オットセイはアシカの仲間に入り、日本の水族館などでのショーで活躍するカリフォルニアアシカと比べると、オットセイの方が毛が長く、正面から顔を見ると耳たぶがより目立ちます。また、カリフォルニアアシカのオスは成長するとおでこが出るので、わかりやすいです。個人的に言いますと、オットセイは鼻先がつんとしており、なんだかネズミっぽいっ感じ、カリフォルニアアシカは大きな目をしており、なんだか犬っぽい顔かなっという感じがします(あくまで私個人の見解ですが…)。
やっと、オットセイコロニーの話です!
カイコウラにはいくつかのオットセイコロニーがありますが、今回は車のない方でも一番アクセスしやすい場所をご紹介します。i siteからWest End, Esplanade, Fyffe Quayを1時間ほど歩くと、カイコウラ半島のオットセイコロニーに到着します。
途中にはこんな看板もあります。
海岸沿いに整備された遊歩道があり、海と海岸、波風の浸食で削られた断崖などを眺めながら、散歩が楽しめます。もちろん、沿岸にはオットセイたちの姿も見ることができます。日によって、時間によって見れる頭数はもちろん変わってきますが、私の経験上、午前中よりは午後、夕方の方が多くのオットセイたちに会うことができると思います。
遊歩道のすぐそばで寝ているオットセイもいました。耳を澄ますと、彼らの寝息が聞こえてきますよ。
注意!!
ここは彼らの暮らしている場所です。そこにお邪魔しているという意識をもっておいた方がいいと思います。10m以内には近づかない、触らない、邪魔をしない、驚かせないなど、注意書きがされています。彼らは野生動物です。ペットではありません。彼らのテリトリーに侵入すれば、威嚇もしくは襲ってくるでしょう。思っているよりも彼らの動きは素早いので、自分の安全は自分で守ること、そして人とオットセイの両者に害のないように観察しましょう。
干潮のときには歩けます。
駐車場の端から、海岸に降りる階段がありました。干潮のときは歩くこともできます。
海の中ですいすい泳ぐオットセイに会うことはできませんでしたが、岩場で休むたくさんのオットセイたちに出会うことができました。野生のオットセイに出会ったのは初めての体験でした。KAIKOURAにお越しの際は、ニュージーランドでしか会えないオットセイたちに会ってみてくださいね。きっと岩場の上でのんびりと休む彼らの姿に癒されるはずです!!
Kaikoura Peninsula Walkway