ニュージーランド(NZ)政府と米国政府は、南太平洋のクック諸島ペンリン環礁において、深海港の共同建設を進めることで合意した。パラオで開催中の太平洋諸島フォーラム(PIF)の会場で、米国務副長官クリストファー・ランドー氏、NZのウィンストン・ピーターズ外相、クック諸島のマーク・ブラウン首相が発表した。ペンリンはかつて第二次世界大戦時の米軍基地が置かれた場所で、総事業費6000万米ドル(NZドル換算約1億100万ドル)のうち米国が5000万ドル、NZが1000万ドルを拠出し、建設管理はNZが担う。
ピーターズ外相はNZが米国とこれほど大規模な事業で組むのは久しぶりだとして「画期的な決断」「われわれがこの地域に本気で関与している証しだ」と強調した。クック諸島を巡っては昨年、NZに事前相談のないまま中国と複数の秘密協定を結んだことが発覚し両国関係が悪化していたが、今年4月に防衛・安全保障に関する宣言を締結し関係を修復した経緯がある。NZは同諸島の防衛を担う立場にあり、今回の港湾投資が将来的な軍事利用につながる可能性も指摘されている。
ペンリン周辺の排他的経済水域には、コバルトやニッケルなど重要鉱物を含む多金属団塊が推定67億トン埋蔵されているとされ、米中双方が深海採掘への関与を競っている。ピーターズ氏は名指しは避けつつ「札束外交」との違いを強調しており、今回の合意は中国を強く刺激するとみられる。
