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NZと米国、クック諸島ペンリン島に大型深海港を共同建設へ 太平洋の勢力争い受け「歴史的決断」

米国政府は9月1日、パラオで開かれている太平洋諸島フォーラム(PIF)の場で、クック諸島北部のペンリン環礁に総額6000万米ドル(約1億100万NZドル)を投じて深海港を整備すると発表した。クリストファー・ランダウ米国務副長官が、クック諸島のマーク・ブラウン首相、ニュージーランドのウィンストン・ピーターズ外相とともに合意文書に署名した。ペンリンは第2次世界大戦中に米軍基地が置かれた島で、水深のあるラグーンを持ち大型船が入れる国際的な入国港でもある。費用は米国が5000万ドル、NZが1000万ドルを負担し、港の建設管理はNZが担う。完成後の運営はクック諸島が行う。

ピーターズ外相は1NEWSの単独インタビューで、この合意を「歴史的決断」「我々が自国の周辺地域の面倒を見る立場に戻った画期的な瞬間」と評し、NZが米国とこれほど大きな事業で組むのは近年なかったことだと強調した。米国にとってペンリンは、グアムやマーシャル諸島の基地、米領サモアとは別の太平洋の海域へアクセスを開く戦略的要衝にあたる。ピーターズ氏は港の用途として、漁業や輸送に加え、国境を越えた犯罪対策や麻薬の取り締まりを挙げた。NZはクック諸島の防衛に責任を負い、先に結ばれた防衛・安全保障宣言でクック諸島のEEZへの軍のアクセスが認められており、港が軍事利用につながる可能性もある。

発表はPIFが中国による「外国からの干渉」疑惑で揺れる中で行われた。クック諸島は昨年、憲法上協議が必要なNZに知らせないまま中国と複数の秘密協定を結び、NZの強い反発を招いたが、今年4月に防衛・安保面の関係修復で事実上中国を脇に置いた経緯がある。ピーターズ氏は中国を名指しせず「小切手外交」との対比で「ここで進んでいるのはクック諸島の人々の前進のためのものだ」と述べた。ペンリンには海底鉱物資源への関心も絡む。クック諸島の約200万平方キロのEEZにはコバルトやニッケルなど重要鉱物を含む多金属団塊が海底に大量に存在するとされ、商業採掘はまだないものの3社が探査ライセンスを得ている。環境への影響を懸念する住民も多く、島内では賛否が割れている。