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政府、2027年の燃料税引き上げを撤回 2028年から小刻みな増税に切り替え

ニュージーランド政府は8月31日、2027年1月1日から予定していた燃料税(ガソリン税)1リットルあたり12セントの引き上げと、これに対応する道路利用者課金(RUC)の増額を撤回すると発表した。代わりに2028年1月1日から1リットルあたり5セントの小刻みな引き上げを段階的に導入する。クリストファー・ラクソン首相は記者会見で「来年の引き上げを取りやめ、2028年から段階的に移行することで、コロナ後の長期的な経済的痛みや、エネルギー価格を巡る世界的な不確実性から回復する時間を国民に与えられる」と説明した。今年2月末の中東情勢の緊迫化を機にガソリン価格と物価が急騰した「燃料危機」が背景にある。

クリス・ビショップ運輸相は、増税を無期限に先送りすれば陸上交通制度の財政基盤が損なわれると指摘。2020年以降、交通インフラ事業の平均コストは最大45%上昇した一方、燃料税は据え置かれ実質で約20%目減りしたと述べた。失われる税収を補うため、政府は国家陸上交通基金(NLTF)に予測期間で約14億7600万ドルを繰り入れる。うち一部は2026年度予算で設けた4億5000万ドルの「燃料対応予備費」で賄い、残りは選挙前の経済財政見通し(PREFU)に反映させる。ニコラ・ウィリス財務相は「2028/29年度の財政黒字化に前倒しで向かっており、余裕がある」とし、責任ある選択だと強調した。繰り入れがなければ道路補修や公共交通、インフラ投資が大幅に削減されると当局は警告している。

総選挙を今年後半に控え、与野党の応酬も激しい。野党・労働党は先週、燃料税とRUCを次期3年の任期を通じて凍結すると公約したが、ビショップ運輸相はこれで交通予算に約46億ドルの穴が空くと批判した。ラクソン首相はクリス・ヒプキンス労働党党首に対し「地方の自治体やコミュニティを回り、何を削るのかを説明すべきだ」と迫った。選挙目当てではないかとの問いに首相は「変化する情勢と地政学への対応だ」と否定した。