米国政府がビザ免除の条件として、ニュージーランドを含む参加国に対し生体認証データ(バイオメトリクス)へのアクセス権を求めていることについて、ニュージーランド国内、特に先住民族マオリの間で強い懸念が広がっています。
米国は「強化された国境警備パートナーシップ(EBSP)」に基づき、ビザなしで最大90日間の滞在を許可する条件として、参加国に警察データベース等の生体認証情報の共有を求めています。
しかし、マオリの人々にとって、DNAを含む生体情報は「タオンガ(Taonga:宝、神聖な資産)」であり、先祖から子孫へと受け継がれる極めて神聖なものとみなされています。これを他国に譲り渡すことは、文化的なアイデンティティや主権の侵害にあたると批判されています。
また、警察のデータベースが共有されることで、過去に不当な取り締まりやプロファイリングを受けた層が、海外渡航時にさらなる監視や差別の対象になるリスクが指摘されています。
ニュージーランド政府は現在この要求への対応を検討中ですが、専門家や活動家からは、個人の最も親密なデータであるDNAを「渡航の利便性」と引き換えにすべきではないという声が上がっています。
