今回は、前回の複数の言語を話す子供ってどんな感じ?の続きです。
現地校入学時点(5歳)では、日本語と英語が同じぐらいのレベルだったように思います。やはりネイティブの子供に比べて英語の力は低いようで、現地校でESOLクラス(英語以外の言語を話す子供のためのクラス)に入っていました。ニュージーランドの低学年は、さほど勉強らしいことをしないので、英語が分からなくても学力面ではそれほど気にすることはないと思います。現在は、ESOLクラスは卒業して、すべて現地の子供と同じ授業を受けているのですが、先生の言うことは理解し、言いたいことも言えるようですが、発表会などがあると、やはり英語のモノリンガルの生徒が話す役目をし、2か国以上話す子供はあまり話す役が回ってこないようです。
当然日本語のレベルも同年代の日本語ネイティブの子供に比べて低いようです。それで日本語補習校で国語と算数を勉強させました。小学校レベルでは、わざわざ学校へ行かせなくても自分でも教えられるでしょうが、同年代の子供と日本語を話す環境を与えるために通わせました。やはり日本語を使う環境を与えてあげないと、子供本人の日本語習得モチベーションが上がらないと思います。子供も、勉強をしに行くというより、友だちと遊べるのが楽しみで通っているようです。
ただ、モノリンガルの子供に比べて言葉で説明がよく出来ないので、子供どうしケンカなどをした場合、親や先生は両方の子供に原因などを聞くのですが、モノリンガルの子供は、自分の都合がいいように説明するので、どうしてもうまく説明できない僕の子供は、うまく説明できなくて結局犯人にされたりしたことがありました。また、うまく説明できない苛立ちと、口ゲンカではかなわないので暴力に走ったりすることもありました。
現在(11歳)時点でも、英語と日本語はほぼ同じぐらいのレベルだと思います。どちらの言語もまだ同年代のモノリンガルの子供に比べてやや低いようです。家ではインターネットのおかげで日本語での番組や、日本語の読み物が簡単に見られるようになったおかげで、日本語上達の一役をになっています。日本の番組は、ニュージーランドの番組に比べて種類が豊富で、面白いので子供も楽しみながら日本語の番組を楽しんでいます。日本の番組や日本語の本を理解するのに日本語の上達が必修で、それが良いモチベーションになっているようです。幸い、本を読むのが好きで、英語や日本語の本をよく読むのでそれが言語習得には役立っているようです。
複数の言語を話す子供は、それぞれの言語のインプット量がモノリンガルの子供に比べて少ないので、それぞれの言語のレベルが低いのは当然と言えば当然でしょうが、セミリンガル(どちらの言語も中途半端になってしまうこと)になってしまったり、言語レベルが低いと思考レベルも低くなってしまうことの不安はあります。
幸か不幸か一人っ子ということで、兄弟で会話をしないので家庭では日本語をキープしやすいです。(兄弟がいて、どちらも学校へ通い出すと途端に英語になってしまうらしいです。)
恐らく我が家もこのままですと、成長するにしたがって親と会話する機会が減ってきて、外で英語を話す機会が多くなるので、英語の方が強くなるでしょう。それを回避するにはどうしたらいいか対策を練る必要があるでしょう。
以上が、ざっと我が家の現状です。
それぞれの家庭環境や、子供の性格などが違うので、他人の家の状況は参考にはならないかもしれませんが、良い所は参考にし、悪い所は反面教師としていただければと思います。
バイリンガル教育は、以前述べたようにメリットもあればデメリットもありそうです。
それはニュージーランド生まれ、ニュージーランド育ち、両親日本人という僕の妻にも言えることです。ということで、次回は彼女を観察してこのような環境で育った人を分析してみたいと思います。