10月12日施行の改正移民法の内容について、各種ビザの申請手続きなどを行っている「プレスティージ・ロイヤーズ弁護士事務所」に解説していただきました。
ニュージーランド移民局は10月11日、移民法の一部を改正し、同月12日から施行すると発表しました。大幅な変更を伴う今回の改正により、永住権取得を希望する人にとっては今後2年間、永住権取得へのハードルが一層高くなった形になります。
改正の背景には、移民の数に制限をかける狙いがあります。レジデンスビザは過去2年間で約10万件発行されていましたが、この先の2年間は5,000件強の削減が決まりました。対象は技能移民部門とペアレント・カテゴリーです。
技能移民部門
1. EOIポイントの引き上げ
EOI(Expression Of Interest)ポイントとは、レジデンスビザを申請する際の第一段階で用いられ、移民局が各申請者に対し、学歴や職歴、資格の有無や技能などに対して付与するものです。申請者はポイントの合計値が規定以上の場合、申請手続きへと進むことができます。今回の改正では、これまで140ポイント以上で自動的に抽選されていましたが、10月12日以降は160ポイントが抽選の最低ラインになります。
2. 英語力の証明の義務化
英語力の証明にはこれまで、英語環境での就労などの経験が認められてきましたが、今後は英語力を証明する書類の提出が義務付けられます。これまでの「6.5以上のIELTS」に加え、11月からは下記の試験も英語力の証明として使用できます。いずれも証明書の発行から2年間が有効期限になります。
英語能力試験 | 求められる英語能力 |
---|---|
International English Language Testing System (IELTS) | 6.5 |
Occupational English Test (OET) | B |
Cambridge English: First (FCE) and FCE for Schools | 176 |
Pearson Test of English: Academic (PTE: Academic) | 58 |
Test of English as a Foreign Language Internet Based Test (TOEFL iBT) | 79 |
日本国籍保有者で、カナダ、アイルランド、イギリス、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドのいずれかの高等教育機関で、ニュージーランドのレベル7に相当する学士号を2年以上かけて取得している場合、または上記の6カ国のいずれかで、ニュージーランドのレベル8に相当する資格を1年以上かけて取得している場合は、英語能力の証明書の提出が免除される場合があります。詳しくは弁護士、移民局にお尋ねください。
ペアレント・カテゴリー
移住者が親をニュージーランドへ呼び寄せるためのビザ(ペアレント・カテゴリー)も変更になります。ビザの発行数を年間2,000件に限定していますが、すでに申請数がこの数を大幅に上回っているため、移民局は当面、新規の申請を受理しない方針を打ち出しました。受理の再開は関連法の改定後とされ、その時期は不明です。また、すでに受理している申請については認可枠が生じた時点で審査されますが、その時期についても明言されていません。
いずれの場合でも、永住権取得を目指す人は、今回の変更内容やポイント数の確認のためにも、移民、ビザを扱う弁護士事務所などに相談することをお勧めします。すでに本申請で書類を提出済み、またはEOIポイントの抽選後、移民局からレジデンスビザ申請の招待状(Invitation)を受け取っている人は、今回の改正後の新ルールの対象になりません。招待状を持っている人は指定された期日までに必要書類を移民局に提出してください。
情報提供:PESTIGE LAWYERS
参照情報 (移民局のページ)
- New Zealand Residence Programme policy changes
- Skilled Migrant Category questions and answers
- Skilled Migrant Category fortnightly selection Wednesday, 12 October 2016
- Meeting the criteria (EOIポイント・インジケーター)