英語でのコミュニケーション力が高まり、人脈も広がるボランティア活動。気軽に参加できる1日のみの単発ボランティアも多数あるので、まずはトライしてみましょう。一例として、筆者が数年前から参加しているボランティアの様子をご紹介します。

Photo: © SurfedPix Photography
障がい者向けのサーフィンイベントを主催する「DSA」
今回ご紹介するボランティアは、非営利団体「The Disabled Surfers Association New Zealand(DSA)」が主催する障がい者向けサーフィン体験イベント「Have A Go Day」でのお手伝い。DSAは地元のサーファーが中心となって設立された団体で、オークランドのピハおよびマウント・マウンガヌイで年に数回、イベントを開催しています。障がいを持つ人にサーフィンを体験してもらい、ボランティアと一緒に海で過ごす1日を皆で楽しむ、というのがイベントの趣旨です。
このイベントでボランティアをするのに特別な条件はなく、イベントの日時と場所を確認して参加できそうなら主催者にメールでその旨を伝えるだけ。サーフィンのイベントなのでサーフィン経験者や泳ぎの得意な人が多いですが、そうでなくてもテントの設営やBBQの準備など、お手伝いできる仕事はたくさんあります。興味があれば気軽に問い合わせてみましょう。
イベント当日の流れ
1.現地集合してボランティア登録&準備

Photo: © SurfedPix Photography
2016/2017年度のイベント第一弾は、2016年12月10日(土)にピハで開催されました。当日は集合時間の朝9:30までにピハへ行き、用紙に指名、住所、携帯番号、メールアドレスを記入して登録します。
その後、持参した水着&ウェットスーツに着替え、ボランティアの目印となるラッシュガードを身につけます。用意ができたらビーチで簡単なオリエンテーションがあり、イベントがスタートします。
2.海に入ってサーフィン体験スタート!

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障がいのタイプは人それぞれ。自分で歩いて海に入る人もいれば、波打ち際まではビーチ用の車いすを使ったり、サーフボードに乗ってもらってボランティアが海まで運んだりとさまざまです。水に慣れていて大きな波を好む人もいれば、海に入るのが初めてでナーバスになる人もいます。ボランティアはまず参加者の障がいのタイプや海に対する恐怖心の有無を把握し、コミュニケーションをとって緊張をほぐすことから始めます。
参加者が乗ったサーフボードは、サーフィン経験者5~6人がサポートし、波打ち際に近いところにもボランティアを配置して波に乗ってくる参加者の安全を確保します。ボランティアはだいたい10~15人を1組として2~3班に分かれ、それぞれの班のリーダーの指示に従ってイベントを進めます。
このように説明すると堅苦しい感じがしますが、気さくなキウィによるカジュアルなスポーツのイベントなので、ボランティアも参加者も和気あいあい。共同作業を通して自然と仲良くなります。波に乗った参加者の笑顔を見ると何ともいえない幸せな気持ちに包まれます。
3.サーフィン後はBBQと表彰式

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サーフィン終了後は着替えてBBQランチと表彰式が行われます。参加者にイベント参加の証明書とメダルが贈呈されるほか、「ベストサーファー賞」、「ベストスマイル賞」などさまざまな賞の授与もあります。副賞はタオルやサーフィン雑誌などで、イベント協賛スポンサーが提供します。
海でエキサイティングな時間を過ごした後に、BBQをいただきながらほかのボランティアや参加者とおしゃべりするのも楽しいひととき。イベントはだいたい午後1時半で終了となり、片づけをして解散します。
気負わない雰囲気も魅力!

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ボランティアとして参加する際は当然責任も出てきますが、主催者・ボランティア・参加者がすべて対等で、気負わずにトライできるのがDSAの魅力。これはニュージーランドのボランティア全般にいえることだと思います。
DSAのボランティアは地元ニュージーランド人が大半ですが、筆者は何年か参加していることもあり、今回はチームリーダーになりました。移民の国であるニュージーランドではよくあることですが、外国人だからといって差別されないのも嬉しい点ですね。
DSAのような福祉系スポーツイベントだけではなく、オークランドやクライストチャーチの「ジャパン・デー」、ダニーデンの「ミッドウインターカーニバル」といったコミュニティのお祭りでもボランティアを募集しています。気になるモノがあれば主催者に問い合わせて参加してみてはいかがでしょうか。DSAの次回のイベントは2017年3月にピハで開催される予定です。