まずはペット輸入の条件をチェック
ニュージーランドに連れて来るペット(犬、猫)は以下の条件を満たしている必要があります。
- ニュージーランド入国前の6ヶ月間(あるいは生後ずっと)、日本に連続して居住していたこと
- 妊娠している場合、日本出国時に妊娠42日目以前であること
- 日本出国時に生後12週間以上であること
- 犬の場合、以下の5犬種(雑種含む)でないこと
- ブラジリアンフィラ
- ドーゴー・アルジェンティノ
- 土佐犬
- ペロ・デ・プレサ・カナリオ(ドゴ・カナリオ)
- アメリカン・ピット・ブルテリア
- 交配種でないこと(ベンガル猫は除く)
そのほか、以下の点も留意しておきましょう。
- 輸送および検疫はペットに大きな負担を与えるのでペットの年齢や健康状態を十分に考慮すること
- ペットの輸入には総額20万円以上の費用がかかること
- ニュージーランドでも都市部の賃貸物件(特に家具付きアパート)はペット不可の場合が多いので住居探しに制限が生じること
ペット輸入のための手続き
ニュージーランドで動物輸入を管轄しているのは第一産業省(MPI/Ministry of Primary Industries)。ペットを連れてくるためにはMPIからパーミット(許可証)を発行してもらわなければなりません。MPIはパーミットの申請を最低6週間前に行うよう推奨していますが、余裕を持って渡航予定日の2ヶ月前には準備を始めるようにしましょう。主な手順は以下の通りです。
1. マイクロチップを埋め込む
ニュージーランドでは犬、猫ともにマイクロチップの埋め込みが義務付けられています。動物病院で国際規格ISO認定のマイクロチップを埋め込んでもらいましょう。埋め込み費用は数千円~1万円程度。
2. 渡航日を決め、輸送とケージの手配をする
渡航日を決めてペット輸送会社に連絡を取り、輸送の手配をします。この時、ペットのニュージーランド到着日が土・日曜、祝日だと後述する動物検疫施設に受け付けてもらえないので注意。費用は輸送会社やペットのサイズによって異なり、10万円程度から。ペットを空路で運ぶ場合はケージが必要なので合わせて手配を。ケージのサイズには細かい規定が設けられているため、国際空輸組織IATA認定の「バリケンネル」がおすすめ。値段はサイズによって異なりますが、小型犬や猫用の場合は3000円程度から。
3. MPI認定の動物検疫施設を予約
日本から輸入される犬や猫はニュージーランド到着後、MPI認定の検疫施設に最短10日間(10泊11日)収容されなくてはなりません。施設はニュージーランド国内に4ヶ所あるので渡航日が決まったら最寄りの場所を選び、すぐに予約を入れましょう。オークランドにあるQualified Pet Servicesの場合、予約の際にデポジット(返金不可、下記の総額から差し引かれます)としてペット1匹につきNZ$300が必要。収容中もペットとの面会は可能でスタッフや獣医師がケアしてくれるから安心です。費用は施設やペットの種類、滞在期間によって異なりますが、Qualified Pet Servicesでは検疫料、餌代、宿泊費など込みで犬の場合は総額NZ$1564~、猫の場合は総額NZ$1104~(2015年2月現在)。
Qualified Pet Services(オークランド)
住所:150 Airfield Rd., Takanini, Auckland
電話:09-299-9539
URL:www.qualifiedpet.co.nz
Pethaven Quarantine Services(オークランド)
住所:71a Homestead Rd., RD1, Pokeno, Auckland
電話:09-233-6301
URL:www.pethavenkennels.co.nz
Canterbury Quarantine Services Ltd.(クライストチャーチ)
住所:Highfield Rd., Aylesbury, Christchurch
電話:03-318-1279
URL:www.canterburyquarantine.co.nz
Shado-Lans Quarantine Facility(レビン)
住所:773 State Hwy. 1, RD31, Levin
電話:06-362-6184
URL:www.shado-lans.co.nz
4. MPIにパーミットを申請
検疫施設の予約が完了したらMPIのウェブサイトから申請書をダウンロードし、必要事項を記入してEメールで送ります。FAXや郵送を利用することもできますがMPIではEメールでの申請を推奨しています。パーミットは通常、申請から10営業日前後で申請者のEメールに送信されます。申請料はNZ$166.62(2015年2月現在)で、クレジットカード(VISA、マスターカード)で支払い可能。
MPI Animal Imports
住所:PO Box 2526, Wellington
電話:04-894-0100
FAX:04-864-0733
Email:animalimports@mpi.govt.nz
URL:www.biosecurity.govt.nz/enter/personal/pets/cats-and-dogs
5. 動物検疫所に連絡
MPIからパーミットが届いたら出国予定の空港にある農林水産省の動物検疫所に連絡し、必要な手続きを確認します。届出や申請手続きは公式サイトに載っているNACCSに登録すればオンラインでOK。
農林水産省の動物検疫所・成田支所
電話:0476-32-6664(第1旅客ターミナル)、0476-34-2342(第2旅客ターミナル)
URL:www.maff.go.jp/aqs/index.html
6. 動物病院と動物検疫所で検査を受ける
日本は狂犬病の発生がないため狂犬病の血液検査は免除されていますが、出発30日以内、4日以内、2日以内の外部および内部寄生虫の駆除薬投与や、レプトスピラ症など特定の病気に関する細かい検査とワクチン接種を受けなくてはなりません。動物検疫所と動物病院に連絡し、検査、ワクチン接種、駆除薬投与のスケジュールを確認しましょう。48時間以内に獣医師から発行された英文の健康診断書も必要です。さらに出国当日、検疫所で狂犬病(犬の場合はレプトスピラ症の検査もある)の臨床検査を受け、問題がない場合は英文の輸出検疫証明書が発行されます。輸出検疫は無料ですが動物病院への支払いは別途必要。
7. 72時間前までに渡航の連絡
ペットがニュージーランドに到着する72時間前までに到着予定空港のMPIに以下の情報を連絡しましょう。
- フライトナンバー
- 到着予定日時
- 受取人(輸出人)の名前と連絡先
- ペットの種類(品種)
- ペットの数
- 出国地
- 予約した動物検疫施設の名称
- 貨物受取証(ある場合)
- 輸出人が同じフライトに乗っているかどうか
各空港のMPI
オークランド Email:mqsakac@mpi.govt.nz
クライストチャーチ Email:mqschc@mpi.govt.nz
ウェリントン Email:mqswlg@mpi.govt.nz
8. ニュージーランドの動物検疫施設に収容
ペットはニュージーランドの空港に到着後、そのまま動物検疫施設へ移されます。ここで最短10日間(10泊11日)収容された後、検疫が無事に終了すれば晴れてペットとの生活がスタート! なお、ニュージーランドでは犬を飼う場合、シティカウンシル(市役所)に登録が必要なので忘れないように気をつけましょう。また、ニュージーランドは動物病院の費用が高額なのでペット保険に加入すると安心です。