Prada Cupの前に、Explore Auckland Sailingが主催するHarber Dinner Cruiseに参加したとき、イギリスチームが練習からドックヤードに戻る際に遭遇し、まるでフィギアスケートの様に華麗に海の上を滑るように走り去る光景が目に焼き付き、全く興味のなかったAmerican's Cupでしたが、一番お手頃なチケットで3月10日(水)の3回戦を申し込みしました。
Explore Auckland Sailingの36th America's Cupツアーで一番お手頃な金額は、2つのオプションがあり、トイレ付でウェルカムドリンク有りかトイレ無しでウェルカムドリンク無しでした。トイレなしのオプションは、昔のAmerica's Cupヨットで観戦しました。どうしてもトイレが我慢できない場合は、バケツを渡してくださるそうです。
5時間の間トイレと飲み物なしはきついので、トイレ有りの方を選びました。
料金設定もユニークで年齢関係なし、0歳から大人まで同じ金額。服装はカジュアルで平らな靴とウォータプルーフジャケット持参の指定がありました。
食事は、ニュージーランド・イタリア・イギリス・アメリカチームと称したランチボックス。事前にメニューを、決めなければなりません。
政府の発表で、36th America's Cup開催日が、3月6日(土)から3月10日(水)に変更になりましたが、参加できるかどうかは、前々日の夜に連絡を頂きました。
平日開催とコロナLevel2ということもあり、キャンセルも多かったそうで、大型ヨットも100人以上の収容はLevel2の規定によりダメでしたので、多くのゲストを乗せている船でも50人ぐらいしか乗船していない感じで、開催初日なのに静かな雰囲気でした。私たちのヨットも15名とスタッフ3名でした。
14時出航、Wynyard Crossingを通過するとニュージーランドチームのベースがあり、ちょうど勝利を祈願してマオリ流の儀式が披露され、ニュージーランドチームが、応援に来てくださっている方々360度に手を振って挨拶をし、選手がヨットに乗込み沖に向かいます。その後ろをサポートチーム、放送局、そして観戦客のヨットが追っていく光景は、ドラマのワンシーンのようでした。沖に出てから両サイドを見渡すと、コマーシャルヨットが一斉に開催地に向けて走っているので、この風景も見ごたえがありました。
開催地は朝から数回変更されたそうで、開催地に向かっている最中に最終変更の連絡がありました。その理由は、American's Cupは、最低6.5Knots、最大21~23Knotsの風が必要で、風がレース開催か中止かを左右するそうです。天候ではないそうです。
選手の様子は、イタリアチームは開始前まで停止し、ニュージーランドチームはギリギリまで練習に練習を重ねていました。
レースの内容はラジオが頼りで、私達はスタートボックス近くに待機しているにも関わらず、ゲーム開始の大きな合図があるわけではないので、いつの間にかレースがスタートしちゃったという感じでした。
36th America's Cupの見どころは、75フィートに巨大化した機体をどう操るかだそうです。まっすぐ走っているだけでも軽く50km以上のスピード、カーブーの瞬間は90km近いスピードで接戦を繰り広げており、追い上げていく瞬間や2隻のヨットが交差したり重なり合ったりする光景は、海の上のF1でした。機体が海に浮いているのをフォイリングというそうですが、最新のテクノロジーによって風を操り一体となる技術、瞬時の明確な判断力とチームワークなどが、America's Cupの魅力なのかなと理解できた気がしました。
1回戦と2回戦の間に食事タイム。私はニュージーランドチーム、夫はイギリスチームを選んでみました。どちらもバランスが良く美味しかったです。
食事をしながら、2回戦に挑むニュージーランド選手の様子やサポーターの働きぶりを見られたのもかなりのお得感があり、申し込んでよかったと思いました。
開幕初日の結果は、1対1と大接戦。解説でも両者互角と言っていましたが、素人の私が見ても本当にそうだと感じました。
特に2回戦のニュージーランド25秒ぐらいの差を最後には7秒までに追い上げた結果は、これからの戦いも鍔迫り合いが期待できそうです。
レースが終わり、帰りは朝から場所取りしていたヨットも一斉にWynyard Crossingに戻るので大渋滞。しかも、Wynyard CrossingからRangitoto Islandまで船が数列に並んで待っています。Backgrounds Beach側も大渋滞。Wynyard Crossingにたどり着くまでに約2時間海の上で過ごしました。
曇り空の隙間からサンセットの光がヨットを照らし、その光に導かれながら大行進するヨットの光景は、美しいという一言だけですべてを覚る印象的な風景でした。
サンセット後は、街の明かりが少しづつ灯りはじめ、ロマンティックな夜景も楽しめて、海の上でのいろいろな変化を最後まで楽しみつくしたツアーでした。
36th America's Cupのチケットは一番お手頃といっても、私にとっては今年一番の高価な物でしたが、それだけの価値はたくさん詰まっており、体験できて本当に良かったです。
そのきっかけを下さったイギリスチームに感謝。
4年後のAmerica's Cupもニュージーランド開催を願って、テレビ観戦を楽しもうと思います。