ニュージーランド政府は、学校運営委員会(スクールボード)が「Treaty of Waitangiに基づいて学校方針・地域カリキュラム等を設定し、マオリの世界観・知識・言語を反映させる」という現行の義務を廃止する方針を発表しました。
Erica Stanford 教育相は、「条約対応は王室=クラウンの責任であり、学校委員会の責務ではない」と述べています。
改正案では、学校委員会に対して「マオリ学生の公平な成果(equitable outcomes)」を追求し、希望する生徒に対してマオリ語(te reo Māori)やマオリ文化教育を提供するよう明記される予定です。
教育委員会・校長連盟・教師組合など教育関係者からは強い反発が出ています。彼らは今回の変更が、マオリ文化・言語の可視性を弱め、学校における社会的統合を損なう恐れがあると懸念しています。
教育界の声として、「条約義務を削ることで、これまで学校文化に根付いてきたマオリの視点や歴史を軽視するメッセージになる」「子どもたちが自分の文化を学校で認められない経験をするリスクがある」との指摘があります。
