ニュージーランドで、飲料容器のリサイクルを促進する「コンテナ・リターン・スキーム(CRS)」の導入を求める声が再び高まっています。全国の企業、地方自治体、環境団体など80以上の組織が政府に対し、同制度の実施を要請しました。
CRSは、ガラス瓶やプラスチック、紙パックの飲料容器購入時にデポジットを支払い、使用後に返却すると返金される仕組みです。ニュージーランドでは1980年代までガラス瓶の回収制度がありましたが、その後廃止されました。現在、国内で販売される25億本以上の飲料容器のうち、リサイクルされるのは半数以下にとどまっています。
同制度は、2023年に当時の政府がコスト増加を理由に廃案としましたが、環境保護団体は「低所得層の負担にはならず、地域の資金調達の機会にもなる」と主張。環境省の試算では、導入初年度で地方自治体のごみ処理費用を5,000万ドル削減できるとされています。
政府は現在、リサイクル促進に向けた法改正を検討中で、最終決定は内閣に委ねられています。