ニュージーランドの公的医療機関を統括する「Health NZ(ヘルス・ニュージーランド)」が、人手不足を補うために派遣医師や臨時代診医(Locum)へ支払った年間支出額が、過去最高の「2億2,000万ドル(約200億円)」に達したことが判明し、医療現場と政界で大きな波紋を呼んでいます。
特に地方都市や緊急救命室(ED)での常勤医師不足が深刻化しており、高額な日当や手当を支払って派遣医師を確保せざるを得ない構造的リスクが浮き彫りになりました。
医療労働組合や現場の専門医からは「高額な臨時費用を一時凌ぎに費やすのではなく、国内で働く常勤医師の待遇改善や、海外からの医師獲得に向けた長期的な人材投資に予算を充てるべきだ」との厳しい批判が相次いでいます。
これに対し、Health NZおよび政府の担当大臣は、急速な財政圧迫を是正するために非常勤医師依存からの脱却を目指すコスト削減プランを進めると説明。しかし、急激な予算削減が地域医療の現場での医師不在や待ち時間の悪化を引き起こす懸念も指摘されており、医療の質と財政健全化の両立が極めて難しい課題となっています。
