クライストチャーチ病院の救急部門(ED)が、定員の最大3倍もの患者を受け入れる状態が常態化していると、救急専門医のドミニク・フライシャー医師が明らかにした。
かつては週1、2日だった最高レベルの過負荷「コードレッド」が、今ではほぼ毎日発生しているという。先週水曜には午前8時3分という通常最も静かなはずの時間帯に、非番の医師に緊急出動を求めるメッセージが送られる異例の事態もあった。同院への救急搬送件数は年4%以上のペースで増加している一方、クライストチャーチの人口増加率は年1%程度にとどまっているという。
70床のEDは常時200~300%の稼働率で、「ベッド1台に対し患者2~3人が普通」の状態。入院先の病棟が満床のため転棟できない患者があふれ、廊下や待合室、椅子の上で治療を受ける患者が急増している。当初は壁際に沿って置かれていたベッドは、最近では通路に対して垂直に置かれるようになり、フライシャー医師は「これまで見たことがない」と驚きを語った。廊下では「プライバシーに関わる質問もできず、心電図や採血などの検査も難しい。ナースコールもなく、安全とは言えない、質の低いケアにならざるを得ない」と危機感を訴えた。患者は数時間、時には一晩中廊下で入院ベッドを待つこともあり、「廊下だけで20~30人待っていることも珍しくない」という。
ヘルスNZカンタベリー地区の運営担当者ハミッシュ・ブラウン氏は「冬季は非常に高い需要の時期がある」と認めた上で、3月から冬に備えた対策を進めてきたとし、20床の「冬季フレックス病棟」開設や緊急診療所の増設、テレヘルス拡充などを挙げた。それでも「例外的に需要が高まる時期は依然として発生している」と述べた。フライシャー医師はスタッフの奮闘を称えつつ、「問題はスタッフの士気ではなく、患者の負荷そのものだ」と語った。
