妬みは世界共通?
私は毎週、ニュージーランド人の友人が主催する日本語会話グループに参加しています。日本に興味があるけれど言葉は全くわからないという初心者や、学生時代に勉強しけれど忘れてしまっているので学び直したいなど、目的や日本語のレベル、年齢や出身国も異なる様々な方が毎回4〜5人集まって、日本語(ときどき英語)で会話をします。日本語教えてよ〜。OK〜!と簡単に受け入れてしまったのですが、日本で生まれ育ち、感覚的に日本語を身につけてきた私にとって、日本語の文法をアナライズして正しく伝えるということはこんなに難しいのか…と毎回打ちのめされつつも、私にとって楽しみな時間になっています。
ある日、韓国出身のAさんの「ニュージーランドと日本って共通点が多いですね。」というひと言から会話が始まりました。
島国で、四季があって、火山や地震があって、温泉文化があって…。
Shushiも国民食だよね。
ちょっとシャイな気質も似てるかも。
あと、Kiwiの人って平和主義で意外と協調・調和を大切にするのよ、日本人も「和を乱す」のを嫌うでしょう?
みんなで思いつくことを話していると、グループを主催しているニュージーランド人のBさんが、これも共通点かも?と「トール ポピー シンドローム」という言葉を教えてくれました。
「Tall Poppy Syndrome」
「トール ポピー シンドローム」は、ニュージーランドやオーストラリアでよく言われる社会現象で、成功した人や目立っている人を妬んだり引きずり下ろそうとする心理や社会的風潮なんだそうです。日本語の「出る杭は打たれる」によく似た意味合いを持っているとのこと。とても興味深く思ったので色々調べてみたところ、背景文化やニュアンスに違いがありました。
- ▪️トール・ポピー・シンドローム
- 成功しすぎると妬まれる。
- 成功や富・名声を手にすると嫉妬や批判の対象になりやすい。
- 自分の実績を謙遜せずに話すと「自慢している」と受け取られる。
- 突出して成功したり、人より目立つことを嫌がる雰囲気がある。
- ▪️出る杭は打たれる
- 協調性が欠けると叩かれる。
- 周囲と違う行動や意見をすると、秩序を乱すとして批判されやすい。
- 出過ぎたふるまいをすると憎まれる。
- 個性や才能が周りに合わせるよう強制される。
どちらも「目立つ存在を抑えようとする社会的圧力」なのですが、ニュージーランドは平等で対等な人間関係を大事にする社会的風潮が根本にあって、成功者に対する嫉妬の感情が生まれるのに対し、日本は集団の調和を最優先する社会なので、協調性に欠ける行動や意見に対して働く同調圧力なんだそうです。
ちなみに、「出過ぎた杭は打たれない」に該当するような諺はニュージーランドには無いそうで、ちょっと出ただけで(成功しただけで)肩身が狭いなんて変わった文化だよね…とKiwiの友人が話していました笑。 二つの諺を調べたことがきっかけで、「言語は文化を象徴する」と言われる理由への理解が少し深まったような気がします。言葉って難しいけれどおもしろいですね!
ワイカト嫁