先週辺りから、街中やテレビのキャスターの胸元に赤いワッペンがついているのに気づいた方はいませんか? 私もその1人で、初めは何か近くでイベントでもあったのかなと思っていたのですが、色々な所で見かけたので調べてみました。
戦没者への追悼
赤いワッペンの正体はポピーの花で、募金をするともらえるものでした。戦没者への追悼がこの募金活動の主旨のようです。
アンザック・デーから全戦没者へ
4月25日はニュージーランドの祝日 アンザック・デーですが、1915年のこの日、第一次世界大戦中で初めて海外遠征したニュージーランドとオーストラリア軍団(ANZAC)が敵地トルコのガリポリという場所に上陸した日なんですね。夜間の運航によりミスが発生し、作戦は失敗。そのミスゆえにその場で多くの兵士が亡くなったと言われています。その上陸した日をアンザック・デーに定め、戦没者を追悼する日になりました。第二次世界大戦後、このガリポリの戦いだけでなく、すべての戦争に参戦した兵士の為の日に変わりました。
赤いポピーと戦争
どうして赤いポピーがアンザック・デーのモチーフとなっているかというと、第一次大戦の戦場となったフランダース/ベルギーで、激戦が鎮まった後の荒れ果てた地に赤いポピーが一面に咲いていたそうです。それを元に戦地にいた兵士によって書かれた「フランダースの野に」という詩が世界に広まり、それから赤いポピーは戦没者を悼む象徴となったそうです。
戦争への思いは人それぞれ
第一次世界大戦では、日本はANZACと同じくイギリス側の連合軍に属していたので‘味方’でしたが、第二次世界大戦で言えばオーストラリアを爆撃した国でもあり、一気に見方が変わるんです。戦争は人によって考え方が全く違うと思うので、私たち日本人がアンザック・デーにこうすべきだ!という事はありませんが、ニュージーランドに住む1人として、ニュージーランドの歴史上4月25日は戦争で亡くなった人が多い日であること、今でもこの日を大切にしている人が多い事は知っておいた方がいいかなと思います。