オーロラといえば北欧やカナダ、アラスカのイメージですが、実はニュージーランドでも観測できます。北半球とは違う赤い色が特徴です。
ニュージーランドのオーロラが赤いのはなぜ?
オーロラというのは太陽から地球へ届いたプラズマ粒子(太陽風)が地球の大気とぶつかって生じる発光現象。極地の近辺で見られるもので、北半球では北極近く、南半球では南極に近いエリアで観測されます。
オーロラの色というと上の写真のように緑を思い浮かべますが、ニュージーランドで見られるオーロラはそのほとんどが赤。これはニュージーランドのオーロラが低緯度オーロラであるためです。
オーロラベルトと呼ばれるオーロラが出現するドーナツ状の領域は緯度60度から70度。これに対してニュージーランドでよくオーロラが観測されるテカポやクイーンズタウンは緯度43度から45度ほど。オーロラの光のカーテンは数10km~数100kmにわたって低いところから高いところまでのびますが、高度によって色が異なり、上から赤(高度約200~500km)、緑(高度約100~200km)、ピンク・紫(高度約80~100km)と並びます。
緯度の高い北欧やカナダではオーロラを下から見上げる形になるため、最も明るい色である緑が見え、ほかの色は消されてしまいます。これに対して低緯度のニュージーランドではオーロラを横から眺めるため、下のほうの緑は目立たず、上の部分の赤が地平線近くで見られるというわけです。
ニュージーランドでオーロラ鑑賞しよう!

Photo: ©Maki Yanagimachi / Earth & Sky Stargazing
ニュージーランドでオーロラを観測する場合、場所や天候に以下のような条件があります。
- なるべく南であること(クライストチャーチ以南がベスト)
- 周囲が暗いこと(都市ではなく、自然の中へ行きましょう)
- 月明りの影響を受けないこと(満月ではなく、できるだけ新月に近い夜)
- 南の方角に大きな街がないこと(街灯があるとオーロラが見えにくくなります)
- 南の方角に地平線が開けていること(山があるとオーロラが見えにくくなります)
- 乾燥していること(大気中に水蒸気が多いと空気がゆがんでオーロラがきれいに見えません)
オーロラはそう頻繁に出るものではありません。しかし以上の条件は星空観測にも当てはまるので、美しい星を眺めつつ、オーロラも見られたらラッキー程度に考えるといいでしょう。オーロラが出現しやすいのは太陽の活動が活発になる時。11年周期で巡ってくる活動期が最も確率が高く、前回は2012~2013年がそれに当たりました。残念ながらその時期は過ぎてしまいましたが、現在でもテカポでは平均すると月に2回くらいオーロラが確認できるそうです。
また、オーロラは冬だけではなく、1年中出ることも覚えておきましょう。冬のイメージが強いのは、オーロラ鑑賞の有名スポットである北欧やカナダは夏に白夜があり、オーロラが出ても見えないためです。その点、ニュージーランドに白夜はないので、運がよければ夏に見られる可能性もあります。また、夜間に長時間、自然の中にいても、クマやオオカミといった人間を襲う危険のある野生動物がいないのも安心です。
星空ツアー情報
アース&スカイ/Earth & Sky
- 住所:
- State Hwy. 8, Lake Tekapo
- 電話:
- 03-680-6960
- 住所:
- State Hwy. 8, Lake Tekapo
- 料金:
- 大人NZ$148、子供(8~17歳)NZ$83 ※日本語ツアーあり
- URL:
- http://www.earthandsky.co.nz/ja/