今回は、複数の言語を話す子供について、メリットとデメリットについて考えてみたいと思います。
今回は、複数の言語を話す子供について、メリットとデメリットについて考えてみたいと思います。
僕にはニュージーランドで生まれた11歳の子供がいます。現在も家族でニュージーランドに住んでいて、両親はどちらも日本人なので家では日本語、外では英語を使うので、子供は自然に英語と日本語の両言語を使う環境です。子供の両言語のレベルも今ちょうど同じぐらいです。
ある意味理想的なバイリンガルの環境ですが、よく聞くトピックとして、“複数の言語を話す子供はメリットばかりでデメリットは無いのか?”というのがあります。それについて自分の子供や他の人の体験から、複数の言語を話す子供のメリットとデメリットについて自分なりの意見を述べてみます。
それではまず思いついたままにメリットを挙げてみます。
メリット:
- ○ 就職に有利
- 複数の言語を話せるので、両言語を必要とする仕事への就職には有利でしょう。
- 両言語を必要とする仕事に子供が就きたいとは限らないのですが、複数の言語を使えるのは現時点ではまだ特別なスキルなので、有利でしょう。
- ○ 両国の文化に慣れ親しめる
- 言語習得は、その国の文化習得でもあります。言語習得を通してその国の文化も一緒に吸収できるのはメリットです。また、国際感覚が身につき、もっと広い視野で物事を見ることができるようになります。
- ○ 日本の家族とも会話ができる
- 英語しか話せないと日本の家族と話ができなくなってしまいます。日本の家族と直接会話が出来ないというのは、寂しいものです。子供本人はそれほどではないかもしれませんが、とりわけ孫と会話が出来ないおじいちゃんやおばあちゃんは寂しいでしょうね。
- ○ 日本の学校へも行ける
- 僕の子供は日本へ一時帰国すると日本の学校へ通わせるのですが、一応言語面では問題なく授業を受けたり、友だちと会話をしているようです。日本語のレベルが低いと、いじめを受けたり、友だちができなかったり、授業についていけないと言う場合もあるようです。
- ○ 複数の言語を話す子供を持つ親としての満足感??
- これは、人によるでしょうが、やはり特別なスキルを持った子供の親としてある程度優越感は得られるのではないでしょうか? 子供の習い事は、親の満足感を満たすためにさせていることが多いのと似ているのかな??
- ○ 子供自身が言語面で優れていると思える
- 最近は移民の子供が多くなり、オークランドでは複数の言語を話す子供が増えてきたのでそれほどではなくなりましたが、やはり子供にとって複数の言語を操れるというのは優越感を感じるようです。その反面モノリンガルの生徒より語彙や理解力が遅れていることも認識しているようです。
- ○ 帰国子女枠で大学入試ができる
- 正直しっかり調べたわけではないですが、帰国子女枠で入試をすると受験に有利なようです。
- ○ 言語総合得点では勝る
- 言語を点数化するのは少々無理がありますが、言語の総合計の点数は高くなるでしょう。例えば、モノリンガルのネイティブレベルを100点として、2か国語を話す子供のそれぞれの点数を80点としたら、160点あります。点数だけで言えば、複数の言語を話す子供の方が点数が高くなります。ただし、どの言語を使っても高度な内容の会話ができなかったり、複雑な文章を書いたり読めないということがでてくる可能性はあります。
まだまだあると思いますが、思いついたままに列挙してみました。
納得できない方もいらっしゃるかもしれませんが、“こういう考え方もあるんだ。”ぐらいに捉えていただければと思います。
次回は複数の言語を話す子供のデメリットについて述べてみたいと思います。