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2017NZ政権交代連載・双日ニュージーランド会社 冨ヶ原是公社長

双日ニュージーランド会社 冨ヶ原是公社長

政府の市場介入、影響に注目  ビジネスチャンス追いかけたい

 双日ニュージーランド会社の仕事の大部分が、ニュージーランドの原木や木材製品を日本やその他の国に輸出するという、林産業に関するものです。ニュージーランドの林産業は、植林による持続可能な森林経営が成立し、世界においても先進的です。政権が変わり、「政府が植林を行う」というアナウンスがされていますが、これによって今後どんな影響が出てくるかというのが、当社の業務に関連する部分では最大の注目点です。

 ただ単に「政府が木を植える」ということであれば、植林をしてから伐採するまでには27年くらいかかるため、短期的な影響はなく、影響が出てくるのはだいぶ先のことになります。しかし、新政府はMinistry for Primary Industries(MPI)を分割し、林業部門を独立させ、「New Zealand Forestry Service」という、かつて国有林を管轄していた専門機関を再建することにしました。これを通じて他に具体的に何をしていこうとしているのかが興味深いところです。

 ニュージーランドの木材は、丸太の輸出価格が割合高値で推移しており、このため、国内で木材を加工してから製品を輸出する際、輸出価格と同じような額を払わなければ丸太が手に入りにくい状況です。地域によっては、一部の工場で丸太が足りないという懸念が表明されています。この問題も政府が上記の政策を取った背景にあると考えられます。

 双日も含め、日本企業は長年、ニュージーランドの木材を加工し、製品化して付加価値を付けて販売するということに関わってきました。すでに発表されている最低賃金の引き上げによる人件費の高騰というマイナス要素も見逃せません。政権交代を受け、政府が市場に関与することで今後ビジネスの機会が広がることを期待する一方、ニュージーランドでビジネスをしていく上でのプラスとマイナス、両面をよく見ながらビジネスチャンスを追いかけたいと考えています。

 全般的には、ある程度民間が動きやすいよう、透明性のある環境を用意しようとしてきた国民党に対し、労働党の方が政府として主体的に市場に関与していこうという傾向が強いと理解しています。今後、プランに掲げた内容を実現していけるのか、それとも上手くいかないのかは、政府の実行力にかかっています。

双日ニュージーランド会社

エネルギーから機械、プラント、生活産業系資材まで扱う総合商社「双日株式会社」の現地法人。
 
冨ヶ原さんは2000~2003年に駐在を経験し、2013年に再びニュージーランドへ。
林産を中心に、食料、化学品、その他新規ビジネスの開拓を担当。
 
アジア・大洋州 拠点