ニュージーランドの与党国民党は8月23日、11月7日の総選挙で再選された場合は新たな増税を一切行わないと公約した。ラクソン首相はオークランドのボタニー・ダウンズ中等学校で開いた選挙区キャンペーン出陣式で、約200人の支持者を前に「一生懸命働けば前進できる国であるべきだ。税を低く抑えることで、家族のために使えるお金と選択肢を増やせる」と述べた。
この方針は2週間前から一転したものだ。財務担当のニコラ・ウィリス氏はこれまで観光客向けの宿泊税、いわゆる「ベッド税」と銀行への新税に含みを持たせてきたが、今回は「銀行への新税はコストが消費者に転嫁されるリスクがあり、その賭けはできない」と説明。銀行や保険会社などにはすでに規制費用を賄う賦課金が導入済みで、4年間で2億9000万ドルの税収が見込まれるという。
この撤回に地方自治体の首長らは反発した。オークランド市長ウェイン・ブラウン氏は、4月に結んだオークランド地域協定で2027年に宿泊税導入の検討が盛り込まれていたとして「政府がその約束から逃げるなら協定自体が意味を失う」と批判。クイーンズタウン・レイクス地区のジョン・グローバー市長も「完全な方針転換で、パニックの中での政策決定のようだ」と述べ、ロトルア市長タニア・タプセル氏も「驚いている」とコメントした。
労働党のヒプキンス党首は自党が導入するのは既発表のキャピタルゲイン税のみだとし、選挙対策委員長のマカナルティ氏は国民党に対し「新税を否定するなら、看護師や病院サービスなど何を削減するのか明らかにすべきだ」と反論した。
