7月30日の国会審議で、ピーターズ副首相兼外相(NZファースト党首)が、緑の党のシュー・ナン議員に対し「自分の国に帰れ」と発言し、人種差別との批判が噴出している。
ピーターズ氏はコロナ対応をめぐる一般討論演説中、シュー・ナン氏から「ワクチン接種は済んだのか」とヤジを飛ばされたのに反応し、「ここは民主主義の国だ、お前の国とは違う」「ヒラメのように嘘をつく国に帰れ」などと述べた。1994年に幼少期に中国からニュージーランドへ移住したシュー・ナン氏は、この発言を「人種差別的」であり「繰り返される行為」だと非難した。
中国大使館は同日夜、外務貿易省(MFAT)に「厳粛な申し入れ」を行ったと発表。「中国系コミュニティの大多数は法を順守し、社会に溶け込み、NZの経済社会発展に貢献してきた」とし、開かれた差別のない環境の確保を求めた。労働党とみどりの党はピーターズ氏の外相辞任を要求。ラクソン首相は「注目を集めるための不適切な発言の繰り返し」と非難したが、更迭には言及しなかった。副首相のシーモア氏も「不適切」としつつ静観の構えを見せている。
一方、ピーターズ氏は「人種差別との指摘はたわ言だ。私は民主主義を守っているだけで、それを誇りに思う」と主張し撤回を拒否。連立を組むNZファーストの副党首ジョーンズ氏も加勢し、事態は収まる気配がない。中国はNZ最大の貿易相手国であり、労働党のセプロニ副党首は外交関係への悪影響を懸念する声を上げている。
