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ウェリントン大火災を逃れた人々の声

大火災となったウェリントンのホステルLoafers Lodgeから、危機一髪で脱出した人々が、その時の恐怖をインタビューで語った。

タラ・シリさんが部屋のドアの下から煙が入ってくるのを見てドアを開けると、部屋の外は真っ暗だった。彼は窓から、2階層下の屋根に飛び降りることを決断した。

「私の部屋は最上階で、煙が充満していて下まではとても降りれませんでした。そこで窓から飛び降りることにしました。本当に恐ろしかったですが、そうしないと建物の中で焼け死ぬだけでした」とシリさん。

彼は飛び降りた屋根で救急隊員に保護され、くじいた足の手当てを受けた。

ある男性は、別の住人が火災の発生をふれまわっていたと語る。

「彼は窓から煙が出ているのを見て、『みんな、火事だ。ここから避難するんだ』と廊下を大声で呼びまわっていました。それを聞いて私がドアを開けると、真っ黒い煙以外は何も見えず、あわてて床に伏せ、そのまま這って、幸いにも外に出ることができました」

彼は命が助かってラッキーだったが、持っていたものを全て失った、と語った。

サイモン・ハニフィさんは、このホステルに住んで5か月。火災報知器は誤作動で鳴ることが比較的頻繁にあったと語る。

「火災報知器が誤って鳴るのはしょっちゅうです。ふつうは誰かが料理していたとか、そんなところです。今回も報知器が鳴っても部屋を出るつもりはありませんでしたが、まあスマホを見ているだけだし、外で煙草を吸ってもいいと思って部屋の外に出ると、煙の臭いがしました。台所の方に行くと、煙がもうもうと出てくるのがわかり、『みんな、本物の火事だ』とフロアのドアをたたいて回りました」とハニフィさん。

「みんな着の身着のままで逃げ出したので、何か着るものがあればいい。自分は上着のポケットにたまたま財布と携帯電話があったからまだよかった。多くの人は、財布もカードもなく、裸足で逃げてきた」と語り、また彼は、年老いて体がいうことを聞かない人々を心配している。