ニュージーランドの留学や移住、起業、旅行、就職など総合情報サイト

警察の「退去命令」権限、10月25日に施行へ 物乞い・路上生活者への対応めぐり賛否

ニュージーランド警察が、公共の場で物乞いをする人、路上で寝泊まりする人、秩序を乱す行為をする人に対し「退去命令(ムーブオン・オーダー)」を出せる新たな権限が、10月25日の日曜日から使えるようになる。関連法案は9月18日に国会で最終可決されていた。

報道によると、命令を受けた人は、警察官が定める合理的な距離だけ離れ、指定区域から最長24時間退去しなければならない。対象には、秩序を乱す行為、威圧的・脅迫的な行為、店舗の入り口をふさぐ行為なども含まれる。命令は刑事上の罪状ではないが、正当な理由なく従わなければ最高2000ドルの罰金、または最長3か月の禁錮が科される可能性がある。命令は書面または電子的な方法で出せる。

ポール・ゴールドスミス司法相は、この命令によって通りや広場を訪れる人、働く人、暮らす人々の手に取り戻すと述べ、「ホームレス状態を犯罪化するものではない」と強調している。命令に従わない人だけが訴追の対象になるという立場だ。また、物乞いや路上生活を理由に命令を受けた人も、禁止された行為をしない限りその場所に戻ることができる。

一方、緑の党は法案に全面的に反対し、労働党も物乞いや路上生活の犯罪化への懸念から追加修正を求めていた。社会福祉サービスの提供者は「問題を別の場所に移すだけだ」と指摘し、オタゴ大学の研究者は、路上生活者が人目につきにくく暗く孤立した場所へ追いやられる危険を指摘している。元地方裁判所判事も、運用が難しく「冷酷」だと批判した。なお適用年齢について、報道によって14歳以上とする記述と18歳以上とする記述があり、最終法案では18歳以上とされている。総選挙(11月7日)を前に、治安と福祉をめぐる論点としても注目される。