全国共通の公共交通カード「モツ・ムーブ(Motu Move)」の販売が9月23日、カンタベリー地方のバスで始まった。当初の導入予定から約2年遅れでのスタートとなる。利用者はプリペイド式のモツ・ムーブカードのほか、手持ちのタッチ決済対応の銀行カードやスマートフォンにも、子ども・若者・障がい者向けの割引を紐付けられるようになった。
クライストチャーチのバスインターチェンジで行われた記念式典で、クリス・ビショップ運輸相は「誰もが望んだより時間がかかった」と認めつつ、「完成すれば世界最先端のシステムになる」と強調した。海外の多くのシステムはタッチ決済で大人運賃を引き落とすだけだが、割引運賃をタッチ決済に組み込む点が技術的に難しく、時間がかかった理由だと説明した。
今後は年内にインバーカーギル、2027年半ばにウェリントン都市圏、2027年末にオークランドへと順次拡大し、2027年末までの全国展開を目指す。NZ交通局(NZTA)は2009年からこのシステムの開発を進めてきたが、2024〜25年には9カ月で3度も導入目標を守れず、6月には運輸相自ら「後戻りできないところまで来ている」と不満をにじませていた。
導入に合わせて、65歳以上を中心とするスーパーゴールドカード保有者の無料乗車にも変更がある。カンタベリー地方議会は、平日午後3時から6時半までの時間帯を有料化すると発表。これまで議会が独自に負担してきた午後の無料枠を国の制度に合わせる形で、開始日はモツ・ムーブの本格展開に合わせて告知される。ワイカト地方でも同様の見直しが協議されている。
一方、カンタベリー地方議会のディオン・スウィッグス議長は式典で「支払いシステムは整った。あとはバスを増やすだけだ」と述べ、ピーク時にはすでに満員の便もあるとして、運輸相に増便を訴えた。
