ニュージーランド政府が検討している、警察に路上生活者らへの立ち退き命令(ムーブオン・オーダー)を出す権限を新たに与える法案について、27年間裁判官を務め、うち15年はオークランドのホームレス専門法廷「ニュー・ビギニングス・コート」を主宰したアンソニー・フィッツジェラルド元判事が、「機能しないうえ非情だ」と強く批判した。
この法案は、野宿や物乞い、営業妨害、迷惑行為などを対象に、14歳の子どもを含む人々に公共の場からの退去を命じる権限を警察に与えるもので、命令に違反した場合は最大2000ドルの罰金または禁錮3カ月が科される。
フィッツジェラルド氏は、対象となる行為の多くは既存の法律ですでに対応可能であり、新たな権限は不要だと指摘。警察自身や司法省も同様に、この法案は不要、あるいは機能しないとの見解を示しているという。
一方、ゴールドスミス法相は「ホームレスを犯罪化する政策ではない」とした上で、街や中心市街地を住民や事業者、来訪者の手に取り戻すために必要な措置だと主張しており、法案を巡る対立は深まっている。
