ニュージーランドの保健苦情委員会(HDC)は、ウェリントン地域病院の救急外来(ED)における一連の対応をめぐり、複数の是正勧告を伴う裁定を相次いで公表した。
2023年8月、胸の痛みを訴えて自ら救急外来を訪れた55歳の男性は、心臓発作を裏付ける検査が実施されるまで5時間待たされた。
HDCは、運営主体のヘルス・ニュージーランドが適切な水準のケアを提供しなかったと結論づけた。当時、同院のEDは病床稼働率200%に達し、その日のシフトは看護師が10人不足していたという。
別の裁定では、脳内出血を起こしていた53歳の女性が、臨床スタッフから症状を薬物過剰摂取によるものと誤って判断され、一晩放置される事案も明らかになった。女性はその後死亡している。
両ケースとも、慢性的な人員不足と病床逼迫という同院が抱える構造的な問題を映し出しており、HDCは体制の見直しを求めている。ニュージーランド国内の病院では近年、救急外来の待ち時間の長期化が繰り返し問題視されており、今回の裁定は医療現場の余力不足への懸念を改めて浮き彫りにした。
