カンタベリー大学のファーガス・シンプソンさんは、オーストラリアの山火事消火活動を終えてニュージーランドに帰国した。
昨年11月、22歳の学生シンプソンさんは、4ヶ月の林業インターンシップのため、ニューサウスウェールズ郊外のタマットという町で暮らし始めた。火災が発生すると、彼のインターンシップは町を救うという大きなミッションに変わってしまった。活動に当たったニュージーランド人の中でもシンプソンさんは最も若く、そして唯一経験のない消防士となった。「この体験で私の人生は大きく変わりました。最初はちょっと怖くて、全く準備ができていないと感じていましたが、自分では早く学んだと思っています。みんなからは、普通の消防士の5年くらいの経験を、数ヶ月で身に着けたと言われました。」とシンプソンさん。「私の住んでいたタマットから避難した時、もうもうと上がる噴煙を見て、『この町は決して元の町には戻らない。』と感じたことを今でも思い出します。30メートルの炎や、立ち上る巨大な噴煙といったものは、誰でも想像できるでしょう。だけど、それがどれほど熱いかは、決して想像できません。」シンプソンさんが五体満足で帰国して、もちろん家族は大喜びだ。彼は今、クライストチャーチでのゆっくりした暮らしに戻り、大学最後の年が始まるのを待っている。
「卒業したら林業のキャリアを積んでゆきます。そしてもちろん、ボランティアで消防士として働くつもりです」というのが彼の希望である。