ニュージーランド人が愛してやまない「ソウルフード」
ニュージーランド(NZ)で最も手軽で、地元の人々(キウイ)の生活に深く根付いている食べ物といえば、温かいミートパイ(パイ)です。ニュージーランドでは年間およそ1億5000万個以上のパイが消費されていると言われており、国民一人あたり年間30個以上食べている計算になります。
手で持って手軽に食べられることから、小中学校のランチやガソリンスタンドでの軽食、ドライブのお供、ロードトリップの休憩など、NZの日常のあらゆるシーンにパイが登場します。今回は、NZのパイ文化の魅力、絶対食べたい定番フレーバー、そして毎年熱い戦いが繰り広げられる「全国パイコンテスト」について詳しく解説します。
1. 日本のパイとここが違う!「キウイ・パイ」の特徴
日本のパイと聞いてイメージするのは、甘いアップルパイや小ぶりの惣菜パイかもしれませんが、NZのミートパイは一味違います。
- 手のひらサイズのボリューミーな主食: 直径10cmほどのアツアツのパイの中に、肉や野菜、とろ〜りとしたグレービーソースが隙間なくぎっしりと詰まっています。1個でしっかりとお腹を満たせる立派なメインディッシュです。
- 外はサクサク、下はしっかり: 上部はバターの風味が香るサクサクのパイ生地(Puff Pastry)、底部や側面は具材の旨味やソースを受け止めるための厚めのショートクラスト生地(Shortcrust Pastry)で作られており、手で持って食べても崩れにくい工夫がされています。
2. これを食べれば間違いなし!定番の人気フレーバー5選
ベーカリーやカフェの保温ケース(Pie Warmer)には、常時10種類以上のフレーバーがずらりと並んでいます。初めて食べる方におすすめの王道メニューをご紹介します。
① Mince & Cheese(ミンス&チーズ)— 人気No.1の絶対王者
じっくり煮込んだ牛ひき肉(ミンス)のグレービーソースに、とろけるチェダーチーズがたっぷりと入ったNZで最も人気のある黄金の組み合わせです。一口かぶりつくと、濃厚なチーズと肉汁が口いっぱいに広がります。
② Steak & Cheese(ステーキ&チーズ)— ゴロゴロ肉の満足感
サイコロ状にカットされた柔らかい牛肉(ステーキ)とチーズがゴロゴロ入ったリッチなパイです。しっかりとしたお肉の歯ごたえと旨味を楽しみたい肉好きにはたまらない一品です。
③ Steak & Kidney(ステーキ&キドニー)— 伝統のクラシック
牛肉と腎臓(キドニー)を煮込んだ、イギリス発祥の伝統的なフレーバーです。独特の風味がクセになる、昔ながらのローカルファンに愛され続ける味です。
④ Butter Chicken(バターチキン)— 多文化社会NZならではの味
インド系移民の文化が融合して生まれた大人気メニュー。マイルドでコクのあるスパイスと柔らかなチキンがパイ生地と見事にマッチしています。
⑤ Potato Top(ポテトトップ)— ほくほくマッシュポテトの食感
パイの上面がパイ生地ではなく、絞り袋で可愛らしくデザインされたマッシュポテトで覆われているパイです。中のミンス肉と滑らかなポテトの組み合わせが絶品です。
3. NZ最高のパイを決める!「NZ Bakels NZ Supreme Pie Awards」
NZには、毎年国内最高のパイを決める全国規模の格付けコンテスト「NZ Supreme Pie Awards」が存在します。
全国から数千点ものパイがエントリーされ、厳正な審査を経て「Mince & Cheese部門」「Steak & Gravy部門」「Gourmet Meat部門」「Vegetarian部門」などの各カテゴリー賞と、グランプリ(Supreme Award)が決定します。グランプリを獲得した街のベーカリーには、その絶品パイを求めて連日全国から行列ができるほどの盛り上がりを見せます。旅の途中で「Pie Award Winner」のステッカーが貼られたベーカリーを見つけたら、ぜひ立ち寄ってみてください。
4. どこで買える?美味しいパイの楽しみ方
NZのパイは、街のローカル・ベーカリー(Bakery)、カフェ、スーパーマーケット、さらにはガソリンスタンド(BPやZなど)のコンビニコーナーでも気軽に購入できます。
- ベーカリーで焼きたてを狙う: 朝から営業している街の個人経営ベーカリーでは、手作りの焼きたてパイが手に入り、クオリティも最高峰です。
- トマトソース(ケチャップ)を添えて: 現地では、パイの角を少し崩してトマトソース(Tomato Sauce)をたっぷりかけて食べるのがローカル流のスタイルです。
熱々のキウイ・パイでNZのローカルカルチャーを味わおう
安くて美味しく、お腹も心も満たしてくれるニュージーランドのミートパイ。一口食べれば、地元の人々に長年愛され続けてきた理由がきっと納得できるはずです。ニュージーランドを訪れた際は、ぜひお気に入りのベーカリーを見つけて、熱々のキウイ・パイを頬張ってみてください。




