11月の総選挙に向け、与党・国民党のクリストファー・ラクソン党首は10月9日、北島フィーディングで農業政策を発表した。再選された場合、水の貯留施設の整備に3億ドルの優遇融資を行うほか、肥料の安定供給を確保する計画を進めるとしている。いずれも農家にとっての安全保障上の課題と位置づけている。
水資源の面では、まず優先順位の高い5件の貯水事業から融資を始める。農業担当報道官のトッド・マクレー氏は、ニュージーランドが年間降水量のうち回収して利用しているのは約2%にとどまると指摘。新たに40万ヘクタールが灌漑可能な状態にありながら、貯水事業や許認可の遅れで着手できていないと訴えた。
肥料については、重要な投入資材をめぐる供給途絶への備えとして、主要国との間で供給協定の締結を目指す。これにより、ニュージーランド向けの製品が相手国の輸出規制から守られるようにする狙いだ。さらに、国内での窒素肥料生産を支援するため、1000万ドルの「重要投入資材基金」を創設する。農業担当副報道官のマイク・バタリック氏は、信頼できる肥料の入手手段がなければ、業界は現在の生産基盤に近い水準すら維持できないと強調した。
燃料価格の高騰や国際情勢の不安定化で、輸入に頼る資材への懸念が強まるなか、農業は輸出の柱として選挙戦でも重要な争点の一つとなっている。今回の発表は報道時点で取材が続いており、今後、農業団体や他党の反応が注目される。
