連立与党の一角を占めるACTは、2026年総選挙に向けた気候変動政策を発表し、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする「ネットゼロ」目標を撤廃し、その法的根拠である「ゼロカーボン法(Zero Carbon Act)」を廃止すると公約した。代わりに、排出上限を主要貿易相手国の水準に連動させる方式を提案している。デービッド・セイモア党首は「ニュージーランドの気候政策は壊れており、その結果として国を財政破綻に追い込んでいる」と述べ、政策は「経済の現実に立脚したものだ」と主張した。
具体策として、排出量取引制度(ETS)のオークションにおける政府の最低価格設定を撤廃して「炭素税」を実質的に引き下げるほか、炭素オークション収入の純額を100%国民に還付する「炭素税リターン」を導入するとした。農業排出への課税を含む新たな気候関連税には反対し、炭素価格の低い、あるいは存在しない国の競合企業にさらされる国内工場の保護、農地から炭素目的の植林への転換の抑制、新技術導入を妨げる規制の緩和なども盛り込んだ。
ACTはこれまでも、現実的な目標が伴わないならパリ協定からの離脱を検討すべきだと訴えてきた。国民党はパリ協定離脱には否定的で、連立3党の間で気候政策の隔たりは大きい。環境団体や野党からは、国際公約の後退や将来世代への責任放棄だとの批判が予想される。
