近年大量に建設されたタウンハウスやアパートで、夏場に室内が危険なほど高温になる問題が指摘されているが、ビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)は、建築基準(ビルディングコード)への過熱対策の本格的な盛り込みを2028年の定期見直しでは扱わず、2031年の見直しまで先送りすることを明らかにした。
現行の建築基準には室内の過熱や最高温度に関する規定がない。オークランドの2階建てタウンハウスに2021年末から住むジャレッド・レイドローさんの家は西向きで、寝室に床から天井までの窓があり、換気が乏しく、軒やひさしもない。日中の2階は35度に達し、夜遅くでも20度台後半が続くという。アルミ製の玄関ドアは60〜70度になり「触るとやけどする」ほど。幼い息子たちのために温度計で室温を監視し、最終的に2500ドルをかけてダクト式エアコンを設置したほか、隣人と一緒にアルミ箔付きの緩衝材で窓用の遮光シェードを手作りした。
ニュージーランド・グリーンビルディング協会のアンドリュー・イーグルス最高経営責任者は「大幅な遅れに衝撃を受けている」と批判。大きな窓、軒なし、日よけなし、狭い部屋という新築住宅に典型的な設計が熱をこもらせる原因だと指摘する。同協会と建築研究協会(BRANZ)は暫定策として、設計段階で過熱の有無をシミュレーションで確認することを義務付けるよう求めており、必要なソフトは既に国内数百社で使われているという。
これに対しMBIEの担当者は、過熱は日射、日よけ、建材、換気、気密性、建物の向きなど多くの要因が絡む複雑な問題で、変更がほかの部分に予期せぬ影響を及ぼさないよう慎重な検討が必要だと説明。当面は設計者や住宅所有者向けに非公式のガイダンスを提供するとしている。
