ジャシンダ・アーダーン首相が、ニュージーランドにロックダウンを導入して一年が経つ。
その時国内では102人の感染者がいて、コミュニティでの感染が続いていた。国境はすでに封鎖されていた。
警戒レベル4のロックダウンは、2020年3月25日午後11時59分から実行された。政府が宣言した2日後である。
生活に欠かすことのできない製品、食品関連ビジネス以外の企業、小売店、飲食店、全ての学校が閉鎖され、ニュージーランド国民は、不急不要の外出は避け、家にいることを義務付けられた。
スーパーマーケットには、パニック買いに走る人々で長い列ができ、小麦粉やパスタなどは棚から姿を消した。
オークランドに住むある女性は、レベル4の発表を聞いた後すぐさま、テムズの家族の元へとバスに飛び乗った。都会から抜け出し、家族と過ごせたため、最初のロックダウンは比較的リラックスできたと語る。
エッセンシャルワーカー(生活に必要不可欠な職に就いている人)にとっては、楽な時間ではなかった。学校に行けない子供たちを家で世話しながら仕事に出かけ、食料品の買い出しに並ばなければならない。
オークランドに住むある6歳の女の子は、ロックダウンが人々をつなげたと信じている。ハウジング・ニュージーランド(政府が低所得者向けに賃貸する住宅)に住む彼女のもとには、ロックダウン中は複数のグループから食料が届けられた。
「ポルシェに乗った女の人が、たくさんの冷凍チキンを持って来てくれた。みんな他の人に思いやりを持っている」と、この女の子は語った。