「家にいる」と言うだけのことなのに、なぜこんなに難しいのでしょうか?
心理学者は、人が閉じ込められて隔離されていると感じるのは正常だと答える。ある高齢の女性、ジル・トーマスさんはカティカティの小さなケアハウスで、ロックダウンを一人で過ごしている。彼女にとってはそれほど辛いことではない。家族と長く会えない経験は初めてではないからだ。第二次世界大戦の時、兄のラッセルさんは航空隊として派遣されており、手紙が届くのに何週間もかかった。「愛する人たちと離れ離れになるのは、その時も辛いものでしたが、お互いを励まし合ったものでした。国民の絆は強まります。少なくともあの当時はそうでした」とジルさん。モーラグ・ターンブルさんは6カ月間、ケルマデク諸島のラウール島で自然保護局の仕事をしたことがある。ほんの少数の観光客がキャンプに来るだけで、あとは6人の同僚がいるだけだった。「私にとってはちょっとした冒険で、今まで体験したことのないことへのチャレンジでした」とモーラグさん。彼女は今は、ウェリントンで2人のフラットメイトと自主隔離している。「一日一日を過ごすだけです。あまり多くのことは考えないようにしています。未来のことは分かりませんから。毎日ちょっとした楽しいことを考えればいいのです」心理学者によれば、一日に意味を与え、お互いを思いやることが大切とのこと。
他人との隔離と孤独は、高血圧、肥満、喫煙などと同様の症状の健康問題を引き起こすこともあるという。