「重戸籍(日本国籍を留保している場合)の場合は、日本への入国は必ず日本のパスポートで行う」という規定はありません。一部の日本大使館・領事館で間違った情報が伝えられているようですが、注意が必要です。
海外での出生などにより自動的に他国(NZなど)の国籍が与えられ、かつ日本国籍の留保の手続きをした上で重国籍になり、国籍選択をしなければならない年齢(あるいは期日)に達していない場合は、日本に入国する際、日本のパスポートでもNZのパスポートでも、どちらを使っても合法的に日本に入国可能です。どちらを使うかは本人次第です。ただし、NZのパスポートで入国した場合は、外国人扱いになるため、日本での滞在期間や就労に制約があります(しかし日本に入国後、戸籍謄本などを持参し、入国管理局で所定の手続きをすれば、外国人としての入国記録を抹消し、日本のパスポートなしでも日本人として日本に滞在することも可能です)。
この件については以前、東京の入国管理局に確認し、どちらのバスポートでも入国可能との回答を得ています。また、某日本大使館のサイトに「重国籍者の日本入国には日本のパスポートが必須」といった間違った案内があったので、その大使館の担当者に問い合わせたところ、あくまで大使館の方針として、重国籍者に日本のパスポートの取得・使用を「推奨」しているだけであり、法律上はどちらのパスポートを使っても日本に入国可能とのことで、入国管理局の回答どおりでした。もし気になる方はご自身で入国管理局にメールで確認してください。
http://www.immi-moj.go.jp/info/index.html
ちなみに別トピでも話題になりましたが、永住権などを持つ日本人が自らの意思で外国(NZなど)の市民権(国籍)を取得した場合は、その時点で日本国籍を失います(国籍法第十一条)。重国籍にはなりません。日本国籍を失うと同時に、所持している日本のパスポートも失効します(旅券法第十八条)。失効した日本のパスポートを使用したり、日本国籍がないにもかかわらず、「ある」と偽って新規の日本のパスポートを入手するのは、旅券法違反になります。