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ニュージーランド植民地時代の彫像をめぐる論争

ヴァージニアのクリストファー・コロンブス像、英国の奴隷商人の像などが倒される運動が起こっているが、植民地時代の人物彫像をめぐる論争がニュージーランドでも起きている。ただしこれは、ブラック・ライブス・マターの動きに端を発したものではない。

ニュージーランドではキャプテン・ジョン・ハミルトンの像が、ハミルトンのシビック・スクエアから撤去されることになった。地元のイゥイ、ワイカト-タイヌイからの要請で、市が承諾した措置である。彫像の人物、ジョン・フェイン・チャールズ・ハミルトンは、英国海軍士官で連隊を率い、ニュージーランド戦争時ゲート・パの戦いで命を落とした。2013年にギャラガーグループからハミルトン市に贈られた。パウラ・サウゲイト市長はイウィの意志を尊重した上で、「世界で起きているこの動きを無視することはできません」と、彫像が文化的に不適切であると認めた。ただし、ニュージーランドの植民地時代の像への批判は、ブラック・ライブス・マターを遡る。ギズボーンのキャプテン・クック像は有名で、1969年に建てられたこの像は昨年ティティランギ・ヒルから美術館に移された。クック像は、マオリとパケハが最初に邂逅した場所に建てられていたが、この場所で解釈の相違によりクックの部下がイウィ9人を殺害した。

クック像はこれまで壊されたり落書きされたりが絶えず、市とイウィの支持を得て美術館に収められた。