日本ではHPVウイルスの後の”副作用”というものが非常に問題になったと聞きました。最終的には、”関連がない”ということで、再びHPVの予防接種を日本で進めようという動きがあるようですが(ほとんどの先進国ではルーチンの予防接種に入っている)あまり進んでいないようです。
予防接種のように「将来の感染の防ぐ」という、すぐにその効用を実感できないような医療行為に関しては、接種しなかった時のネガティブな面もすぐには実感できませんから、一度悪い評判が立つと、なかなか多くの人に接種を勧めるのも大変なようです。
ニュージーランドでは『元SSNZ』さんが説明された通り、2017年から男子に対してヒトパピローマウイルス(HPV)の予防接種がルーチンになりました。
この時ワクチン自体も4価(4種のHPVウイルスに効く)のGardasilから9価のGardasil 9が使われるようになりました。(日本ではまだ2価、または4価のものが使われています。)
癌を引き起こす頻度が高い種類が主にカバーされていますが、良性の尖圭コンジローマもある程度防ぐことができます。
性行為を始める前の年齢でこの予防接種をすることにより、主に癌に関係している2種のHPVをはじめとした9種のHPVの感染を防ぐことができます(実際にはこの他の種類のHPVも類似しているため、9種より多くの種類のHPVから守られるようです)。
息子さんが接種をすることにより、彼が恩恵を受けるのみでなく、今後彼のパートナーになる方を子宮頸がんから防ぐことができるかもしれません。反対に、もしも接種せずに誰かからHPVを移された場合、次のパートナーになる方に感染を広げるという可能性もあります。
Gardasilが始まった当時は(高校で女の子達が一斉に接種され始めた頃)、何人か気を失いかけた、とかいう噂を聞きましたが、最近はそういう話も聞きません。(どれだけが予防接種自体の問題で、どれだけが、学校で心配しながら注射の列を待っていることが関係しているのかはわかりません)
私の娘も昨年接種しましたし、学校の友人の男の子達も接種していたそうですが、特に何か問題があったという話はありません。
私の仕事柄、何か医学的にワクチン自体に問題があれば情報が入ってくるはずですが、特にそのような情報は聞いていません。
もちろん息子さんはご自分で、HPVに関したことすべてのことを理解して判断するのは難しいので、接種するかどうかの選択は、ご両親がどのように考えるかによります。
もしも不安なことがあれば、かかりつけのGPに行って訊いていただくと一番良いと思います。(普通看護婦さんが予防接種をするので、看護婦さんと予約を取り、もしもg両親が接種をすることであれば、学校でなく、GPのクリニックでGardasil 9の接種ができます。)
長くなって、すみません。