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ニュージーランドの旅行情報

NZ快楽旅行主義 vol.8

コロマンデル半島で楽々トレッキング

手付かずの自然が残るリゾート地、コロマンデル半島。
中でも人気のスポットといえば、美しい海岸線を持つマーキュリーベイの端に位置する巨大ネイチャーアート、カセドラルコーブだ
(Quarter 2003年秋号より)

海へと続く道をのんびり歩く

 数あるトレッキング・ツアーの中でも今回参加したのは、コロマンデル半島東海岸を巡り、トレッキングとオーガニックランチを堪能する自然派ツアー。オークランドから目的地までは車で2時間半。市内を一歩出ると、すぐに牧草地や田園風景が目に飛び込んでくる。都会とはまったく趣の異なるコロマンデル半島は、海と森に恵まれた素朴な場所で、ツーリストのみならず、地元の人たちがのんびりと過ごすリゾート地である。

 トレッキングといえば、景観や自然、動植物との触れ合いを楽しむことができるシンプルなアクティビティ。このツアーのハイライトであるカセドラルコーブへと向かう緩やかな道のりは、往復でも1時間ほどの距離。トレッキングというよりは散歩に近く、道すがらビーチサンダルで気軽に歩く人たちと行き交うほど。小高い見晴らし台から出発して、なだらかな坂を下っていくと、目前に広がるダイナミックな海とは対照的に、ゆったりと草を食む牛たちののどかな光景が楽しめる。トレッキング慣れしている人には多少物足りないかもしれないが、初心者にとっては、自然が奏でる音や景色を楽しみながら歩くのにうってつけのコースといえそうだ。

 最初に私たちを迎えてくれたのは、木から木へと飛び回るニュージーランド固有の鳥たち。この国全域の森林帯に生息するファンテールは、全長の半分を占めるしっぽを扇のように振りながら飛ぶ、スズメよりも小さな鳥。まるで私たちを観察するかのようにあちらこちらで姿を現す。ここでは鳥の声をはじめ、虫の音や小川のせせらぎなどが耳を澄まさなくても心に届いてくるから不思議だ。そして多種類に及ぶシダをはじめ、ティーツリー(マヌカ)や巨大ゼンマイなどが自然の恵みを受けて伸び伸びと育っている。とにかく一つひとつの植物が大きく、存在感に満ちている。「野に咲く可憐な花」というより、大胆かつどっしりとした生命力あふれる木々や草花に、圧倒されるほどだ。そんな彼らが吐き出す栄養満点の酸素を胸いっぱいに詰め込むと、自然とエネルギーが湧いてきて、一瞬自分も自然の一部になったかのように感じた。

自然が作った巨大アートは圧巻

長くて急な階段がビーチまで続いている

 このツアー一番の見どころであるカセドラルコーブに近付くにつれて、岩場に打ち付ける波の音が大きくなってくる。カセドラルコーブは、コロマンデル半島東海岸を代表する観光スポットの1つ。海と風によって長い歳月を掛けて浸食された奇怪な形の大きな岩が、ビーチ沿いに高くそびえ立つ。まさに自然が創り出した巨大な芸術作品そのものだ。トンネルのように削られた岩の中を歩いたり、トンネルをフレームに見立てて、その先に広がる壮大な景色を楽しむこともできる。天気の良い日には、力強い太陽の光を受けて、海全体が強烈なマリンブルーに染まる。粉々に散らばった桜貝によってほんのり桃色に染まったビーチとのコントラストは、息をのむほどの美しさだ。お世辞にも広いとはいえないビーチだが、家族連れが思い思いに海水浴を楽しむ光景が、優しい色を加えた1枚の絵画のようで、とても印象的だった。

自然の持つヒーリング効果に心も癒される

まっすぐに伸びるカウリは、両手で抱きかかえられないほどの太さ

 このツアーでは、タイルアの北部に位置するフィティアンガにある、カントリー雑貨ショップとカフェを併設した農園「COLENSO」でのランチが楽しめる。ここで使われている食材はすべてオーガニック。野菜そのものの味を堪能できるサラダや、香ばしいホームメイドのパンを口に運ぶだけで、今日1日をとても健康的に過ごしている気分になれる。

 食後に訪れたのは、樹齢600年のカウリが2本仲良く並んだ「ツイン・カウリ・リザーブ」。傷ついた体を自らの樹液で癒しながら、長年生き続けてきた大木である。かつてこの一帯に生育したカウリは、19世紀後半の開拓時代に大量に伐採され、そのほとんどが失われてしまった。夫婦のように寄り添う2本のカウリを見て、いつの時代も人間の犠牲になってしまう自然について思いをめぐらせた。その後、2つの小高い山が肩を並べるマウント・パクを10分ほどで登頂。頂上から見渡す360度のパノラマは圧巻の一言だ。目の前に広がる海、終わりを知らない波を眺めながら、その日1日を振り返る。植物の息遣い、鳥や虫の鳴き声、人間を迎え入れてくれる自然の寛容さ−−「人と自然との共生」というよりもむしろ、我々人間が自然によって生かされているのだという謙虚な気持ちが、ふと込み上げてきた。

Cathedral Cove Trekking
カセドラルコーブ・トレッキング

NAVI New Zealand
Ph:09-373-5740

この記事は「Quarter 2003年秋号(Issue 12)」に掲載されたものです。記載されているデータ・情報は全て掲載時のものとなっております。予めご了承ください。

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