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知らなきゃ損、損!NZ税金講座 第12回
企業家に必要な税務知識
ニュージーランドの一般的な企業形態には「個人会社(Sole Trader)」、「共同経営会社(Partnership)」、そして「株式有限責任会社(Limited Liability Company)」の3種類があります。それぞれの長所、短所については以前の号ですでに紹介しましたが、今回は個人企業家にとって必要な税務知識についてお話します。
(Quarter 2003年冬号より)
個人会社はニュージーランドの企業登録数の約70%を占める、最も人気の高い企業形態です。ビジネスを始めるに当たって、最初に行うのはIRDナンバーの取得です。ただし個人会社のIRDナンバーは、ビジネスを始める本人の番号をそのまま使用しますから、すでに個人のIRDナンバーを持っている人は新たに取得する必要はありません。まだ個人の番号を持っていないという人は、IR595フォームに必要事項を記入して国税局に申請し、それと同時に、個人会社として活動する旨を書面で伝えます。これにより、年度末青色申告がIR3というフォームに変わり、自ら個人企業家として年度末申告をする必要が出てきます。
さて次に、GSTの登録をするかどうかを決定します。GSTとは「Goods and Service Tax」の略で、いわゆる消費税のこと。ニュージーランドでは現在12.5%の税金が課せられています。GST登録の利点は、企業活動で使った経費に掛かるGSTの還付を受けられるということです。例えば、文房具の購入に90ドル支払ったとしましょう。GST登録をしていなければそのままの金額が実際の経費ですが、登録していればこの金額の12.5%分に当たる10ドルが還付され、実際の経費金額は80ドルですみます。ですから、活動の規模がある程度大きければ、登録をした方が有利ということになります。
ただし一度GST登録をすると、「GST Tax Return(GST101)」という計算書を定期的にIRDに提出しなければならず、これを怠ると罰金や利息を取られます。多くの個人会社がこの処理を公認会計士に任せていますが、そうなると今度は会計士費用が発生してきます。いくらGSTの還付があっても、その金額より会計士費用の方が多くては逆効果です。企業活動の年間総売り上げが4万ドル以上の会社は、GST登録を義務付けられていますが、それ未満の小規模な個人会社の場合、登録は任意となっています。
個人企業家にもたらされる利点の一つは、在宅ビジネスとして個人の持ち家の各種費用を会社経費として計上できることです。通常、企業に就業する被雇用者は、自宅の電話代や電気代、地方税(Rates)、保険料、自家用車のガソリン代や修理代などを必要経費として申告することはできませんが、個人企業家ならこれら費用の一部を経費として申告し、個人所得税の減税対策として利用することができます。
これら経費の算出方法は、家屋の総面積に対し何%をビジネスに使っているかを計算し、その割合で経費として申告します。また電話代は50%を経費として申請でき、自家用車は別途にビジネス使用の割合を算出して経費を決定します。この他に交際費、旅費など、個人使用の目的でもその中に商用のものがあれば、その分の費用を経費として計上することができます。
サラリーマンとは違って、所得税を減らすために知恵を絞れるところも、個人企業家が持つ面白味の一つといえるでしょう。
矢野善之(やのよしゆき)
日系海外ホテルで、ファイナンシャルコントローラーとして会計業務に携わった経験を生かし、ニュージーランドにビズワールド社を設立。ビジネス・コンサルティング、留学、ガイド派遣業務を行っている。
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